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思い出話 ページ19

炭治郎side


『…なーんてね。そんなわけないでしょ?


 妹を差し出せ、殺してあげるから』





そう言い、刀に手をかける彼女を



しのぶさんが咄嗟に羽交い締めにする





『おいっ!!離せ!!胡蝶!!』



しのぶ「落ち着いてください、ここは病室ですよ」



『関係ない!!こいつの妹を殺すんだ!!!』



しのぶ「いけません、お館様の判断に


  逆らうつもりですか?」


『っ……おい!!!お前!!』



炭治郎「は、はい!」


『お前の妹を認めたわけじゃない!!

 
 いつでも私がお前の妹を殺せるということを


 肝に銘じておけ!!』



炭治郎「…はい」



しのぶ「……落ち着きましたか?」



『……離せ、もう暴れないよ』



しのぶ「……はいはい」




羽交い締め状態から解放されて


近くの椅子に腰掛けるAさん



炭治郎「あ、あの!」


『ん?なに?』


炭治郎「あ、貴女は本当にAさんなんですか?」


『……一応』


炭治郎「いつものAさんは何処へ


  行ったんですか」


『今は眠ってる。こいつは私の意思には


 逆らえない。こいつは私のあやつり人形なんだよ』


炭治郎「…そ、そんな」


『…こいつには自分の意思という物が

 
 著しく欠如している


 ……幼い頃からこんなんだ


 幼い頃に人攫いに売られ、刺青を彫られ


 穢され、感情を失くし


 自分の意思も失くした。


 もちろんそれは私自身の事だが


 …私は臆病者だ。


 ただじっと"あの子"の奥深くで


 息を潜めて、縮こまっていた


 …穢された時、彫られた時


 どれもこれも彼女に背負わせてきた


 彼女に不幸中の幸いなのか


 その時の記憶は飛んでいる


 私は…はっきりと覚えているがな。


 でも、あの子の方が辛かっただろう

 
 今まで文字にも触れてこなかったせいか


 言葉も拙い。その反動、とでも言うのだろうか。


 私はこのように彼女よりかは饒舌に


 話すことができる。


 鱗滝さんに


 拾ってもらって言葉を教えて貰ったが


 彼女には学習能力まで欠如している。


 その代わりに私が言語を覚えた。


 彼女の自然に言葉は話せるようにはなったが、


 まだそれは赤子のようにたどたどしい。


 それが精神にも出ているのか


 精神的にも幼い


 ……あの子にはこれ以上重荷を



 背負わせたくないんだ』


 


そうAさんは



泣いていた




 
 

御礼→←辛い匂い



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あき - すごい!!!!!!読んでてとてもとても言葉で表せない程凄い気持ちになりました!!!!!! (5月26日 21時) (レス) @page23 id: 9c80678577 (このIDを非表示/違反報告)
啞羈籮 - 終わった? (2020年9月7日 22時) (レス) id: 9a6140deac (このIDを非表示/違反報告)
輝夜(プロフ) - この作品、とても面白いです!更新頑張ってください!応援しています!! (2020年5月23日 16時) (レス) id: 4d34a234b5 (このIDを非表示/違反報告)
スモークサーモン - ねえ今どんな気持ちねえどんな気持ちねえどんな気持ちぃー (2020年4月13日 21時) (レス) id: 99f545fffc (このIDを非表示/違反報告)
kyasuta - 作者羨ましい(いろんな意味で)これからも頑張ってください。 (2020年3月24日 15時) (レス) id: a847137800 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リキュール | 作成日時:2020年2月26日 19時

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