前世は柱、今世はアイドル

弐拾捌 ページ39

私はちゃんと言ったのに…！


『何で優弥は…！』


無「優弥って誰？」


『え？』


無「優弥って誰？」


『あ、そっか。知らないもんね』


無一郎君は優弥のことを知らない


ま、聞いてきて当然…か


『優弥はね、私の元カレ。で、何だか最近またやり直そうって。私は嫌だって言ってるんだけどしつこくて…ね』


無「元カレ…そいつよりさぁ、僕にしなよ」


真剣な瞳


真剣な口調


いつもより少し低い声のトーン


『え…？』


冗談とは思えない言い方だ


本当に…？


無「…冗談だよ。本気にした？」


冗談…？


『何だ。冗談で言わないでよ』


無「元カレって聞いたから少しふざけようかなって」


『ふざけるって(笑)』


私達がそう会話しているときにドアが開いた


時透母「待たせてごめんね。ご飯できたわよ」


『あ、はい！ありがとうございます！』


無「下行こっか」


『うん、楽しみ〜』


階段を降り、下に着くと、もう無一郎君のお父さんと有一郎君は座っていた


無「Aは僕の隣ね」


『わかった。』


私が座ると、座ってなかった人も座った


時透母「食べましょ！」


「「「「『頂きます』」」」」


私はスプーンを取り、一口掬って口に運ぶ


卵がふわふわで、後からほんのり塩の味


野菜もいい味わいを出していて、もうなんとも言えない


美味しい！


私が期待していた味よりも上を超えていた


これは、美味し過ぎる！


有「どうだ？」


無「美味しい？」


『とっても！こんな美味しい物、食べた事ないよ！有一郎君は、料理が上手なんだね〜。これ、毎日でも食べたいぐらいだよ！』


時透父「いつでも食べにきていいんだからね」


時透母「そうよ！毎日来てくれてもいいのよ？」


『良いんですか！？嬉しいっ！』ﾆｺｯ


無「…///」


有「…///」


私はもう一度一口掬い、口に運ぶ


やばい、ほっぺが落ちそう


とても美味しい


私はあっという間に完食した


『ご馳走様でした。美味しかったよ』


有「なら良かった」


無「…僕もご馳走様」


それからみんな完食し、私は帰る用意をしている


『そういえばお願い…』


時透母「それなら！ここに、サインを書いてほしいのよ」


『サインですか？勿論ですっ！』


フラグ回収したよ←


私は色紙にサインをさらさらと書き込む


『よし。これで大丈夫でしょうか？』


時透父「ありがとう。また来てね」


無「僕、送ってくる」


有「…俺も行ってくる」


『わ、申し訳ないよ』

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