前世は柱、今世はアイドル

拾壱 ページ18

蜜「お世辞でも嬉しいわ！」


し「さ、早いところ読み始めましょう」


しのぶちゃんがそう言い終わる前に、更衣室のドアが開いた


杏「む！なんだその荷物は」


『あ、えっと…これh し「これは私たちへのファンレターだそうです。皆さんの分があるので、読んでろ。だそうですよ？」…うん、その通り』


無「…」


え…？


「リーダーから伝えといてくれ」


確かにそう言われたのに


何故リーダーでは無いしのぶちゃんが伝えるの…？


『皆…』


小「何だ？どうかしたのか？」


実「聞いてやる。正直に答えろォ」


今のももう限界


私…リーダー向いてないのかもしれない…


確かにリーダーはくじで決まったけど…


私はリーダーとして頑張ったつもり


でも…しのぶちゃんがやりきっちゃうから…


向いてないんだよね、リーダーに


だよね…？神様…


『私…HaSiRaのリーダー辞めたい…』


無「…！」


蜜「え！？ど、どうして！？リーダー辞めたいなんて急すぎるわ！」


義「HaSiRaの(メンバーから)抜けてしまうのか？」


『ううん。メンバーとしては抜けない。でも、リーダーを交代してほしい』


し「どうしてですか？リーダーとして、頑張ってたんじゃないんですか？」


『頑張ってたよ…でも、もう嫌なの…！もう…限界なの！』


私はそう言って控え室を飛び出す


飛び出した後、最後に見たのは無一郎君の悲しそうな顔だけだった


《無一郎side》
Aが控え室を出て行って数分後、皆んなが騒ぎ始める


実「探した方がいいんじゃねェのかァ？」


『…』


し「どうして何でしょうか…」


蜜「あんな辛そうな顔、見たことないわ…」


天「…派手に辛そうだったな」


Aから告げられたリーダーを辞めたいと言うこと


僕も今言われたことで少しびっくりした…


それと…辞めようなんて言わないで欲しかった


僕は胡蝶さんの活躍で辞めたいと言っていたことを知っている


このことを話した方がいいのだろうか


A「戸惑った時は自分がしたいことを、自分がしないといけないと思うことをしたらいいんだよ。自分を信じてみて？」


デビュー当時、僕が戸惑った時に言われた言葉


ふっと頭に浮かんだ


そうだ…したいことをすればいいんだ…


Aが辞めたいと言い始めた理由…


Aは言われたくないのかもしれない


胡蝶さんを追い詰める可能性だってある


だけど僕は…！


『ねぇ…僕、Aが辞めたいって言った理由…知ってる』

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