【wrwrd!】真っ赤な罪の手

第２８話 ページ32

その時、風が強く吹いた。
普通ならただ他より少し強いだけの風。


私からすれば違う


久々の音に、考えついた答え…



あの人が来た＿＿



その風から感じる無機だったものが鋭利な殺意へと変わる。


その矛先は…‼


私は２人の肩から離れて、地面を蹴った。



『危ないっ…‼』




オス「へっ…？」


ドサッ


尻餅をついた外交官は状況を理解できずに目を見開く。


『…っ！』


私は直ぐに立ち上がる。

そろそろ限界が来たのか、身体に上手く力が入らない。


それでも外交官を庇うように、

あの方への敬意をはらうように




パンッパンッパンッ


手を叩く音が聞こえた。

この場にいる皆んなは動揺して、辺りを見渡す。



『ラルド……様……』


私が元いたグループの総リーダー。


ラル「流石は101……いいえ…A。
私の気配に気づいて…さらには殺気の矛先まで察する…。
やるじゃないですか。」


姿を見せたラルド様に私は跪く。


『…お久しぶりです…ラルド様…。
お越しそうそう…差し出がましい事をお聞きしますが…何故…貴方様が…ここに…？』


私は跪いたままゆっくりと視線を戻す。


ラル「ははっ…
そう急かすものではありませんよ。
A…仲間の為に自分を悪にして…素晴らしい。」


グル「…Aと顔見知りのようだが、どこの誰だ。」

ラル「あぁ、申し遅れました。
私はラルドと言います。
Aの育ての親であり貴方にAを売った者です。」


鬱「Aの言うてた…。」


ラル「如何です？
とても良い人材でしょう？
戦闘にも、諜報にも、暗殺にも。

今だって貴方がたの為に自分を悪人にしてまで仲間を大事にする。」


コネ「…は…？」


ラル「そう言えば、まだAに聞いてないのですね。
Aはジャミアに命を狙われる総統閣下の為にわざと自分を悪に仕立て上げて警備の強化と警戒を強めさせたのですよ？」


『何もかも知っているのですね…。』


グル「それぐらい、こちらも把握している。
ただ…それをA自身に報告して貰おうとしていたんだ。」


………


ラル「あぁ、そうですか。
まぁ…102は死んでしまいましたねぇ……
あの子も素晴らしい腕の持ち主だったのですが…。」

『…申し訳…ございません……』


ラル「おや？別に気にしなくとも良いですよ。
さてさて、要件を済ませましょうか。」


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#ラルド
・夢主が元いた暗殺グループの総リーダー
・夢主をグルッペンへ売った張本人

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