２話 ページ5
思えば、出会いも良いものではなかった。
一国のトップとの婚約。
普通なら浮かばれるであろうその状況を、私は何とも思わなかった。
覚えているのは、グルッペンさんがいるはずのその席に、彼…トントンさんが居た事。
グルッペンさんは、本人同士の顔合わせようにセッティングされた席ではなく、基本は付き添いの人が座る席へと体を預けていた。
当然のように疑問をぶつけるお父様に、自分は結婚する気はないという明確な意思を伝え、代わりに自分の次に並ぶトントンさんを進めてきた。
その時のグルッペンさんは、どこか自信満々の表情でお父様と対話していた。
当の私達は一言も発さない。
ただ、見ていた限りでは、その時からトントンさんはあまり婚約に納得していないようで、苛立っている事が僅かに理解できた。
私は相手が変わろうが特に何も思わなかった。
結局、お父様の計画には、グルッペンさんが必要だったのではなく、もっとも国の機密を握るトップとの深い関係であった為に、トントンさんと婚約することに決まった。
あれから5ヶ月。
特に何かあるわけでもなく、当たり障りのない毎日を送っていた。
＿適当に、自由に過ごしといて＿
この城に住み始めた日。
そうそっけなく言う彼は、今と変わらず腫れ物に触るような扱い方だった。
自由に過ごす。
私には許されないし、そうして私を野放しにすることでどれほど自分達の身を危うくするのか分かっているのだろうか？
エミ「おや、A様。
おはようございます。」
『エーミールさん、おはようございます！』
図書室へと行けば、エーミールさんがいた。
私は、エーミールさんの挨拶に結託のない笑みを浮かべて挨拶を返す。
今日はどんな情報を引き出そうか。
日に日に人を変え、偶々を装って情報を手に入れる。
いろいろな情報をね……
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向日葵(プロフ) - すみれいんさん» 同じ文でも、何度か読むとやはり違見解が出来て、話が広がりますよね！更新の方は遅れていて本当にすみません！m(_ _)m (2020年1月11日 14時) (
レス) id: 6b871adc31 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - 今更新されているところまで読んでからここに戻って1から見るとまた見方が変わっていいですよね。こう…捉え方が変わってきます！！ (2020年1月6日 15時) (レス) id: 0dc2b364d7 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - きのこ(em推し)さん» 返信遅れてすみません！m(_ _)m面白いと言っていただけてとても嬉しいです！応援もありがとうございます！♪( ´▽｀) (2019年10月6日 13時) (レス) id: 6b871adc31 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(em推し) - 面白かったです。応援してます。続編行ってきますｗ (2019年10月3日 11時) (レス) id: 4906f728aa (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - hasuki-さん» お祝い有難うございますっ！！とても嬉しいです！♪( ´▽｀)夏休みに入ったので、おそらくペースがもっとあがる“かも”しれません！（あくまで“かも”です(･･;)） (2019年7月20日 13時) (レス) id: 6b871adc31 (このIDを非表示/違反報告)
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