14話 ページ17
_ーーーーという事だ
俺はその縁談を受ける気はない
かといって断る事のできる相手でもない_
お前ならどうする?
ある日俺はグルッペンに呼ばれ、グルッペンの置かれた状況とともにその対処について聞かれた。
俺なら、相手が地位を求めているように感じれば、都合の良い自分と同じぐらい力を持つ人間を代わりに立てるかな。
それか、自分と最も近い力を持つ人間をね。
そう答えれば、グルッペンはニンマリと悪い笑みを浮かべた。
_その考えからすれば俺の場合、お前かトントンの2択になるが?_
トントンか、俺。
その時、俺はこの国の王女を思い浮かべた。
誰から見ても分かるほど、トントンが惚れ込んでいる王女を。
恋は盲目
その言葉どおり、トントンはあの王女の愚行を毎度のように許す。
王女の愚行は、グルッペンにも行われた。
だいぶ前の話だったけど、この国のパーティにトントンが仕事で来れない時、偶々気の向いたグルッペンも同行した。
普段はトントンにべったりの彼女。
その日はずっと、グルッペンに媚びを売るように誘うようにして接していた。
それ以前に、俺も受けた対応だから誰よりも顔を顰めたグルッペンの気持ちが分かったと思う。
まだ、良かった。
王女がトントンにだけ、特別な関係を持とうとするならば
でも、違ったのだ。
聞けば、グルッペンやトントン、俺以外に鬱やエーミールも同じ事をされたと聞いた。
でも、指摘しようともトントンは理解しようとしない。
“こんな女に、
大事な仲間をこれ以上関わらせたくない”
俺はその一心だった。
そんな時、グルッペンの婚約の話をが舞い込んできた。
会った事もない、あの貪欲な公爵の一人娘。
箱入り娘で、グルッペンぐらいしか会った事がなく、その存在自体が本当はないのではないかと思ったぐらい。
でもその時の俺は喜んだ。
ここで利用しないといつ利用する?
望まれない嫁ぎ先より、俺“ら”にとって都合の良い嫁ぎ先がある。
王女と少しでも距離を置く事、自分の行動や王女の行動を見直す機会が作れるようにと
俺はトントンを勧めた。
初めは、トントンの為に利用するように。
Aの気持ちなんか考えなかった。
でも今は…
_トントンさん!_
トントンが大切な仲間だという事は変わりない。
でも今は…
トントンが目を覚ます事よりも、
彼女のトントンを想う気持ちが、どうか叶うようにと願うようになっていた。
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向日葵(プロフ) - すみれいんさん» 同じ文でも、何度か読むとやはり違見解が出来て、話が広がりますよね!更新の方は遅れていて本当にすみません!m(_ _)m (2020年1月11日 14時) (レス) id: 6b871adc31 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - 今更新されているところまで読んでからここに戻って1から見るとまた見方が変わっていいですよね。こう…捉え方が変わってきます!! (2020年1月6日 15時) (レス) id: 0dc2b364d7 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - きのこ(em推し)さん» 返信遅れてすみません!m(_ _)m面白いと言っていただけてとても嬉しいです!応援もありがとうございます!♪( ´▽`) (2019年10月6日 13時) (レス) id: 6b871adc31 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(em推し) - 面白かったです。応援してます。続編行ってきますw (2019年10月3日 11時) (レス) id: 4906f728aa (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - hasuki-さん» お祝い有難うございますっ!!とても嬉しいです!♪( ´▽`)夏休みに入ったので、おそらくペースがもっとあがる“かも”しれません!(あくまで“かも”です(・・;)) (2019年7月20日 13時) (レス) id: 6b871adc31 (このIDを非表示/違反報告)
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