１２話 ページ15
その顔に穏やかな微笑みを浮かべる。
さすが王女様。
１つ１つの動作に隙がなく洗練されている。
メリル王女はふと、こちらに目をやってきた。
そして、先ほどまでの優雅な笑みではなく、幼げに笑顔を向けてくる。
自分に向けられたのか、と一瞬思い笑みを返して礼をしようと考えたがそうではないとすぐに感じ取る。
メリル王女が笑みを向けたのは、私の隣に立つトントンさん。
…棘がありそうと感じ取ったのは、あながち間違えではなさそうね。
また、その笑みにまんざらでもなさそうな反応をするトントンさん。
…ふーん……そういうこと……
この2人の大体の構図が理解できたわ。
メリ「お久しぶりです、トントンさん。」
トン「えぇ、お久しぶりです。
お元気でしたか？」
メリ「はい、それはもう。
………そちらの方が…」
私を見ながら、声のトーンを下げる王女。
私は礼をして、ニッコリと笑顔を作った。
『初お目にかかります、A・レナートと言います。
以後お見知り置きを。』
メリ「…えぇ。
あぁ、そんな事よりもトントンさん。」
…そんな事……かな…？
私は心の中で苦笑をこぼす。
一国の王女が、例え自分よりも身分が低い、または本当に興味がないからといって、その様に虐げるのは如何なものか…。
メリ「とても久しいものですから私、積もる話がありますの。
是非聞いてもらえないでしょうか？」
トントンさんに近づいて、その腕をやんわりと王女の細い腕が絡みとる。
キル「メリルっ！」
メリ「あら、お兄様。
良いじゃないの。
私、トントンさんのお話も聞きたいの。」
キル「だからと言って、お前は場所を…」
場所が良かったら良いってわけでもないと思いますよ…
トン「私は大丈夫ですよ、キルト王子。」
貴方“は”ね。
メリ「ほら、トントンさんもこう言っている事ですし、お兄様は気にしすぎなのですよ。
Aさん、トントンさんをお借りしますね。」
積極的にトントンさんを連れて行くメリル王女。
初めの優雅で大人しい印象は何処へ…？
2人の後姿が見えなくなった頃に、王子が勢い良く頭を下げた。
キル「レナート様…
王女とはいえ、我が妹が失礼な態度をおとりし、申し訳ありません！
他の皆さまも、お越し早々不快な思いをさせてしまい誠に申し訳ありません！
なにぶん…世間知らずなもので……」
…あれは……世間知らずというよりも、我慢知らずだと思いますよ……
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向日葵(プロフ) - すみれいんさん» 同じ文でも、何度か読むとやはり違見解が出来て、話が広がりますよね！更新の方は遅れていて本当にすみません！m(_ _)m (2020年1月11日 14時) (
レス) id: 6b871adc31 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - 今更新されているところまで読んでからここに戻って1から見るとまた見方が変わっていいですよね。こう…捉え方が変わってきます！！ (2020年1月6日 15時) (レス) id: 0dc2b364d7 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - きのこ(em推し)さん» 返信遅れてすみません！m(_ _)m面白いと言っていただけてとても嬉しいです！応援もありがとうございます！♪( ´▽｀) (2019年10月6日 13時) (レス) id: 6b871adc31 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(em推し) - 面白かったです。応援してます。続編行ってきますｗ (2019年10月3日 11時) (レス) id: 4906f728aa (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - hasuki-さん» お祝い有難うございますっ！！とても嬉しいです！♪( ´▽｀)夏休みに入ったので、おそらくペースがもっとあがる“かも”しれません！（あくまで“かも”です(･･;)） (2019年7月20日 13時) (レス) id: 6b871adc31 (このIDを非表示/違反報告)
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