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拓実くんとは意外と話が盛り上がって、結構長居してしまった。
「ありがとう拓実くん、すごい楽しかった」
拓「俺も！また話そうな？」
「うん！長居しちゃってごめんね。じゃあ」
拓実くんたちの部屋を出て自分の部屋に戻ると、蓮くんだけじゃなく景瑚くんもそこにいた。
蓮「おかえりなさい！」
「ただいまです、…あれ、景瑚くん？」
佐「ここで時間潰させてもらってました！ごめんね、もう帰るよ」
「いや、全然気にしないで！」
景瑚くんが私の横を通り帰っていく。
その去り際に、耳元で囁かれた。
佐「ちょっと妬けちゃったからさ…今度は俺とも話してね？」
そう言って、最後に私の耳をはむっとする。
「〜〜〜っ、！」
佐「じゃ、お邪魔しました〜♪」
…どうしてこうも、こういうスキンシップばかり。
茫然と立ち尽くしていると、蓮くんが目の前まで歩いてきた。
蓮「…大丈夫？」
「あ…大丈夫です！すみません」
蓮「もう、なんで謝るの」
そんな優しい声が聞こえた次の瞬間、ふわっといい香りが私を包み込んだ。
「…蓮くん、？」
蓮「………ごめんね、困っちゃうよね」
「あ………」
なんの前触れもなく、蓮くんに優しく抱きしめられる。
本当に突然のことなのに、不思議と嫌な感じはなくてむしろすごく落ち着いてる。
「困りませんよ、…なんかあったんですか？」
蓮「……そういうわけではないんだけど、Aちゃんは優しいね」
「そんな、」
私を抱きしめる力が、少し強くなる。
蓮「ちょっと寂しくなっちゃっただけ、かな………自分でもよくわかんないや」
……寂しくなったというのは、
私が帰ってくるのが遅かったから、だと思ってもいいのかな。
私も、少し抱きしめ返す。
蓮「！」
「もう、寂しくないですか？」
蓮「…うん、寂しくないよ。ありがとうね」
そう言って、私から静かに離れる。
かと思ったら、
ﾁｭｯ
「！？」
蓮「…これは、俺なりの消毒！ごめん。シャワー浴びてくる、」
「…は、い」
茹で蛸のように顔を真っ赤にした蓮くんがシャワールームへ消えていく。
まさか蓮くんが、耳にキスしてくるなんて予想外のことすぎて
…私も今、人のこと言えないくらい茹で蛸です。
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作者名：ならみ | 作成日時：2020年4月10日 21時
