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掃除を再開しても、その場を離れない汐恩。
「どうしたの？」
鶴「んー」
髪をぐしゃぐしゃにして、何も言わないから少し心配になる。
「…なんかあった？」
掃除を中断して汐恩の顔を覗き込む。
見かけによらず高身長な彼を見上げ続けるのは少し首に負担がかかるけど、いつもみたいに威勢の良い姿が見えないのが余計私の心配を煽る。
鶴「…わからん、Aのせいやな」
「わっ…」
次の瞬間、汐恩がもたれかかるように私を抱きしめてきた。
「わ、私のせい？」
鶴「最近A全然話せてへんからこうなってんの、わかる？」
「…そうなの？」
鶴「当たり前、景瑚くんに耳噛まれて顔赤くなりすぎやねん。妬けるわ」
汐恩に抱きしめられても顔相当赤いと思うんですけど、、、
「…ヤキモチ汐恩、可愛い」
思ってたことがそのまま声に出てしまった。
怒ったかな…？
でも本音だし、なんだか甘えられてるみたいで母性本能がくすぐられる。
鶴「ほんまずるいわ、お前」
「ずるいのは汐恩じゃない？急に抱きしめられても困るよ」
鶴「まんざらでもないくせに？」
「うるさい」
鶴「ジョーダンだよ笑」
からかわれてるのかなんなのか分からないけど、少し顔が赤くなってる汐恩を見たらそうじゃないんだってわかる。
「でも元気チャージできたかも、」
鶴「…こんなんいつでもするし、なんかあったら俺に言えよ」
「うん、ありがとう。私もするから言ってね？」
変なテンションで柄にもないことを言ってしまった。
鶴「だからほんまそういうとこやねん、ずるいの」
「あ…」
余計なことを言ってしまったせいか、走って部屋に帰ってしまった。
あとで謝っとこう…。笑
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作者名：ならみ | 作成日時：2020年4月10日 21時
