君はソメイヨシノ (ページ21)

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「見てたんなら言ってよ…！」

鶴「あんな状況で俺入れるわけないやん！」

「うっ……それはそうかもだけど」

嘘でしょ、すごい恥ずかしい……

「…みんなには言わないで」

鶴「じゃあハグして」

「っ、」

そういう魂胆か…

「わかった、わかったから内緒ね」

鶴「よっしゃ」

男の人に自分から抱きしめるなんて、こんな恥ずかしいことないけど

口止めのためだ………

ｷﾞｭｰｯ

鶴「……やば」

………あ、でもなんかハグって落ち着くかも

「汐恩、いい匂い…」

鶴「Aはなんか拓実くんの匂いする」

「拓実くんのシャンプー使ってるから多分それかも」

鶴「…なにそれ、俺の使ってや」

「でも悪いよ、拓実くんもいいよって言ってくれたし」

鶴「ほかの人の匂いすんのなんか嫌やねん、俺と同じ匂いにさせたい」

……どうしてこんな恥ずかしいことを平気で

鶴「…なぁ、顔見せて」

「無理」

鶴「耳真っ赤」

「うるさい」

余裕そうにからかって…。

落ち着くにしても私にも限界が来たので、汐恩から離れて顔をパタパタ仰ぐ。

自分でも顔が赤いのがよくわかる。

けど…

「汐恩も赤いじゃん」

鶴「うるせー」

私と同じくらい汐恩の顔が赤くて、少し笑ってしまった。

「練習本当にお疲れ様。ゆっくり休んでね」

鶴「…ん、おやすみ」

「おやすみなさい」

…なんか、私までパワー充電してもらった気分。