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夜ご飯は本当に美味しくて、騒がしくて
でもその騒がしさが苦じゃなくて、本当に楽しくて暖かかった。
今はすっかり静まり返って、みんなそれぞれ部屋にいるみたい。
「手伝います」
與「え、いいのに」
「いえ、これくらいやらせてください！」
與「そう？じゃあお言葉に甘えて」
背の高い奨くんの隣に立って、お茶碗を洗う。
奨くんは服の上からもわかるくらい筋肉質で…隣にいるだけでなんだかドキドキしてしまう。
與「ごめんね、うちのメンバーうるさいでしょ？」
「賑やかですごく楽しいです。あんなに大勢でご飯食べたのも久しぶりでしたし…」
與「そっか、なら良かった。これからみんなのことよろしくね。あ、もちろん俺もね？」
「はい…というか、私がよろしくされる方ですよ」
Aは大人っぽいから年上も面倒見られちゃうよ、なんて言って笑う奨くん。
なんだか、奨くんって…
「お母さんみたい」
與「やっぱり？笑」
どうやらよく言われるらしく、本人も納得のよう。
お母さん、か
與「…Aはお母さんが好きなんだね」
片付けを終えて、私の方に体を向ける奨くん。
私も、とっさに奨くんの方に向いた。
「…大好き、でした」
お母さん
考えないようにしてたけど、もういないんだよね
本当に、もう会えないんだ。
「っ……ごめんなさい」
今までずっと我慢していた涙が、溢れ出す。
親の最期の時も、ひとりになった時も、一度も出なかった涙が
どうして今………
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作者名：ならみ | 作成日時：2020年4月10日 21時
