君はソメイヨシノ (ページ3)

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伯父さんは、芸能事務所の社長をしている偉い人。

伯『大丈夫か？…なんて言って、俺も結構キてるんだけどな』

「はは……そうですよね」

伯『今どうしてるんだ？』

「…今はカプセルホテルに泊まってます。そろそろバイト探そうかなって」

伯『そうか……まだ若いのに、そんな生活じゃ苦しいだろう』

「でも、しょうがないです」

伯『…もし良ければなんだが、用意できる家があるんだ。その、若い男たちも一緒で、そいつらの世話も兼ねてだからこちらから生活費も出せるし…姪のピンチに何もしないなんて事が出来なくてな』

年頃の女性が野郎達と一つ屋根の下って、とんでもないこと言ってるのはわかってるんだ。と付け足す伯父さん。

でも、何もかも失った私は、正直なんでもよかった。

「迷惑じゃないですか？」

伯『…いいのか？ダメ元だったんだが…Aが良ければ全然迷惑じゃないし、むしろ大歓迎だ』

「ありがとうございます。…是非よろしくお願いします、伯父さん」

伯父さんは、明日からでも住めるように準備しておくと言ってくれた。

大手事務所の社長はやっぱり違うな

でも、感謝しなきゃ。

思えば、親戚の中で私を腫れ物扱いしなかったのは伯父さんだけだ。

母方の祖父母は大好きだったけど、私が15歳の時に二人共亡くなってしまって

父方の祖父母、叔母二人は私の事が大嫌いだった。

せっかく伯父さん与えてくれた私の居場所

大事にするんだ。