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8☆ ページ8

それから2人とも

集中してパンダをスケッチしてた



あ「いいね」



後ろから声が聞こえた



振り向くと福寿さんが

まるで何もないように立っている



あ「あっ、教室に張り出されるやつだ」



「え?」



あ「ううん


この尻尾のとこがよく描けてるよね」



自分が良いと感じたとこを

褒められてテンションが上がった



「なんでここに?」



あ「知り合いに聞いたの」



申し訳なさそうな顔をした



あ「ごめんね


連絡先、聞いておけばよかったのに」



「いや、全然」



ほんとに全然だ



あ「こんにちは、玉森くんのお友達ですか?」



大貴に話しかけた



大「は、はい


じゃあ俺あっちのライオン描きに行くから」



あとで色々聞かれるのは確定だ



あ「ごめんね」



「いや?大丈夫」



また会えた



しかも知り合いに聞いてまで来てくれた



「でもあせった、いきなり来たから」



あ「また明日って言ったじゃないですか」



それから動物園の中を回った



ベンチで座って話をする



「小さい頃、死にかけたことがあって」



自分の鉄板話を始めた



「5歳のときに震災があって。ほら、あの震災


うちもすごい揺れてて半壊したんだ」



キミが目を瞠る



「いや、大丈夫


みんな無事だったし保険も降りたから


でもすごかった、福寿さんは大丈夫だった?」



あ「うん」



「そっか。で、揺れがひどかったんだ


もう布団の上で何もできなくて

ぼーっとしながら‘‘家壊れちゃうのかな?’’って


そしたら聞いたこともない音で家が傾いて

変な臭いがして見たら電気ストーブで

掛け布団が燃えてた


布団は払ったけど、それ以上何もできなくて


だって5歳だし、家はぎしぎしいってるし

びーびー泣いてたんだよ

‘‘死んじゃうんだ’’って


そのときベランダの窓が開いて知らない

おばさんが入ってきたんだ、見たことない人


腕を引っ張って立たされておんぶされて

多分‘‘しっかり捕まって’’

みたいなこと言われたんだろーな


で、ベランダに出て

そこから下に降りて助かった」



あ「そっか」



もう終わったことなのにキミは

ちょっと瞳を潤ませながら言った

9☆→←7☆



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設定タグ:玉森裕太 , 恋愛 , 不思議   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ありす | 作成日時:2015年10月3日 20時

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