４０☆ ページ40
あのメモ帳には
文末に☆印がついてる
箇所が2つあった
それは5月21日と4月29日
俺はその意味に気づいてしまった
4月29日は何があったか？
それ以前になかったものは何か？
プライベートのメモで記号を使うときは
どういうときか？
万が一見られてもわかられたくない
意識が働くときだったりしないだろうか？
そこまで考えたときわかってしまった
あの日、キミとの初めての日だった
でも未来から来たキミにとっては
そうじゃなかった
つまりAはあの日
初めから全部わかっていたのに
何も知らないふりをしてたってことだ
悪いなんて思わない
全部演技でほんとは
俺のことなんかなんとも思ってなくて
ただ過去と未来の辻褄を合わせるために
行動してるんじゃ
そういう嫌な考えにハマりそうになる
このままいくと、未来は変わってしまうだろう
俺がキミと会わなくなることで
キミの辿ってきた過去
俺と過ごしてきた時間は変わって
しまうのだろう
果たして、そうだろうか？
これも含めて、全部予定通りなのだとしたら？
もしそうなのだとしたら
キミはこの辛さを乗り越えた俺と会ってきた
っていうことなのか？
その可能性を考える
あり得ないことじゃない
だって俺は
大事なことを途中で投げ出したりなんかしない
最後までやり遂げるのが、らしいと思う
でも、どうすれば？
こんなの辛すぎる
昨日のことを話し合えない
2人の時間がどんどんすれ違っていく
それはキミだって同じ
そう、キミだって同じはずなのに
付き合い始めた頃撮ったキミの写真を見る
石橋で明るく微笑んでる
キミはいつも笑ってた
こんなに辛いことを抱えながら
俺にそういうことを気づかせずに
ずっと笑顔でいた
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作者名：ありす | 作成日時：2015年10月3日 20時
