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３８☆ ページ38
「あっ！」
ポメラニアン
お爺さんについてこうと必死
「ほら、この前のポメr…」
あ「わぁ、かわいい！」
違和感に固まる
キミの反応は明らかに
初めて見るものに対してだった
俺の空気にキミも自分のした過ちに気づく
表情を強張らせたまま何もできず
焦りと動揺だけを伝えてくる
こんなキミを見たのは初めてだった
あ「き、記憶…記憶が人に意識が
あるんだって錯覚させてるんだっけ！」
「え？」
あ「ほら、裕太教えてくれたじゃん
魂みたいな固定の意識っていうのは
そもそもなくて、それは脳のいろんな部分が
主導権争いしてる中で浮かんでくる影
みたいなものだって
そんな説が……」
俺はそんな説、知らない
はっとなって、足元に置いたカバンを見る
今日買った、脳科学の本
ふと視線を上げると、キミもカバンを見てた
さっきよりもさらに深刻な表情をしてた
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作者名：ありす | 作成日時：2015年10月3日 20時
