検索窓
今日:13 hit、昨日:0 hit、合計:8,886 hit

37☆ ページ37

いつもの待ち合わせ

場所に行くとすでにキミはいた



「おう」



あ「おう」



「どこ行こうか?」



あ「裕太はどこ行きたい?」



「ちょっと本、見たいかも」



本を見たあと、カフェに入る



俺が買った本の表紙を見てると


あ「おもしろそうだね」



「だろ」



あ「でも難しそう」



「なんかおもしろい内容あったら話すよ」



そんなやりとりをして、コーヒーをすする



ここまで、違和感なかった



だからこのまま踏み込まない

選択肢もあったんだけど

でもやっぱ、聞かずにはいられなかった



「Aはさ、俺にとっての未来から

今日に遡って来てんだよな」



あ「そうだよ」



「ということはさ

最後の別れるときの俺と会って、今こうして

今の俺と会ってるってことなんだよな」



あ「まあね」



「それってどんな気持ち?」



あ「不思議な気持ち、だよ

他に言いようない」



「まあ、そうか


あのメモ帳は俺が話したことなんだっけ?」



あ「そう、5年前…

裕太にとっては5年後だよね


25の裕太に話してもらったことだよ」



25歳の自分がどうしてるのか、ものすごく

聞きたい衝動に駆られたけど我慢した



聞いてしまうと未来が変わって

しまうかもしれない



叶う夢も叶わなくなってしまいそうで怖いから



あのメモ帳には、日付とその日に何があるかが

数行で書き留めてあった



何も書いておらず、飛ばされてる日もある



文末に☆などの記号がついてあったけど

それについては‘‘忘れた’’と言われた



「あそこに書いてることを、なぞってんだよね


どうして?


別に全く同じじゃなくても困らない

気がするんだけど」



あ「そんなことないよ」



キミは珍しくはっきりと否定した



あ「だってそうしないとさ

裕太に信じてもらうことは難しかったと思うの


そのためにいろいろあったでしょ、段取り」



「そうか」



あ「私たちの辿ってきた、辿って行く

大切な歴史を守らなきゃ。だから」



「そうだな、すごく不思議だ


5年後の俺が教えた流れを、Aは

今の俺に体験させてる


それってどっちが先でどっちが後なのか

もうわかんなくないか」



あ「確かに」

38☆→←36☆



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 6.6/10 (5 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
17人がお気に入り
設定タグ:玉森裕太 , 恋愛 , 不思議   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ありす | 作成日時:2015年10月3日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。