俺は明日、昨日のキミとデートする (ページ35)

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３５☆ ページ35

あ「………

だからね、今だけなの」

キミは躊躇いがちに切り出す

「何が？」

あ「私たちが同じ年齢でいられるのは」

「……どういうこと？」

あ「私は…私たちの世界の人間は

5年に1度しかこちらの世界に来られないの

5年に1度

40日間までしか留まってられない」

あ「次に会えるのは

5年後で私たちは15歳と25歳になってる

10歳違い

その次に会うときは10歳と30歳

あなたはもう、過去に見てきたよね？」

体が石灰のように白く固まった感覚がする

キミの瞳を見つめることしかできなかった

その濡れた奥にある切ない色と揺らめきから

真実をすくい取ることしかできなかった

‘‘だからね’’とキミが言う

キミの美しい声が1番魅力的に響く

呼吸のような囁き声で

あ「今こうしてる時間はとても大切なの

私たちが20歳の恋人でいられる

この5月23日から4月13日までの期間は……

とてもかけがえないんだよ」

俺はキミを抱き寄せた

そうしないと凍えてしまいそうだった

あ「ごめんね」

「謝ることじゃないよ」

平気なふりして言った

あ「これ、私が切ったんだよね

我ながら、よく切れてるね」

俺の髪に触れる

「Aにとっては明日なんだよな」

あ「そう、明日切りに行くの」