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でも俺は完全に
納得できたわけじゃなかった
「そういやさ…前もこんなことあったよね」
あ「……何?」
「パンダの絵」
あ「あー私ほんとに言った?」
「言ったよ」
あ「ん〜」
俺は冗談めかして、こう言う
「Aちゃんって
予知能力とかあるんじゃないの?」
キミはガラスに口をつけたまま意外なことを
言われたと目を大きくする
グラスを置いて、いたずらっぽく首を傾げる
あ「あったらどうする?」
「え……………」
あ「私に予知能力があったら
裕太くんはどうする?」
「すごいなって思う」
あ「あはは、そうだね
もしそうだったら
ギャンブルとか当てたい放題だよ?
裕太くん、お金持ちだよ?」
「金は自分で稼ぐよ」
あ「おっ、男らしいね
じゃあ自分の未来はどう?
小説家になれるのか、とか」
「………」
あ「あなたの未来がわかる
って言ったらどうする?」
「いやっ、いいっ
知らなくていい、大丈夫!」
首を振る俺に、キミがぷっと吹き出した
あ「まあ予知なんてできないんだけどね
私は普通の人間です
残念でした」
ふと思った
昨日ここを通ったとき
俺はこの店の看板に気づいていなかった
もし気づいてたとしても
俺1人なら入らなかっただろう
キミが見つけて、キミがいるから入った
そんな、なんとなくのことを
向かいの席でキミが幸せそうに抹茶ロールを
味わってる、この表情が見られるのなら
またいろんな場所に行って
おいしいものを食べさせたい
そう感じた
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作者名:ありす | 作成日時:2015年10月3日 20時