13☆ ページ13
そのとき、俺は気づいた
何かにつけキミのことを考えてる自分に
面白い場所を目にしたらキミに見せることを
考え、おいしいものを食べたら
キミにも食べさせたいと
どんな反応するだろ?
好きだろうか?
喜んでくれる?
今までの自分だけの‘‘よかった”で終わらず
キミと分かち合いたい
人を好きになるってこういうことなんだ
この先、キミとの関係がどうなっても
俺はこんな心境があることを教えてくれた
キミに感謝する
デートが始まった
あ「あっ」
彼女が興味を引かれたのは、あの扇子屋
「ああいうの好き?」
あ「うん」
「ちょっと見て行こうか」
あ「うん」
寄り添って見ると
彼女ととても接近することになった
ほのかに複雑な甘さを持つ香りがする
俺は密かにどきどきした
「ふ、福寿さんはどれが好き?」
あ「迷うね」
ひとつひとつを丹念に見ている
あ「うーん」
そんなに真剣に迷わなくても
別の商店街に差し掛かるところで
彼女はすぐに行列を見つけた
あ「唐揚げ屋さん?」
キタ
俺はわざとらしくないように気をつけて
「あの隣のピザ、すごい美味いよ」
うまいと聞いて
ぴんとアンテナが立ったような反応をした
あ「そうなの?」
「食べてみる?」
あ「ぜひとも」
幸いさっきと別の店員さんになってたから
「手前のやつが焼きたてなんだよ」
なんて慣れたセリフを言うことができた
彼女はピザを選ぶとき、少し手間取った
あ「おいしい!」
「美味いよね」
あ「うん!すごい美味しい」
内心ガッツポーズをした
こうして、俺たちは最高の状態で
映画を見ることができた
17人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ありす | 作成日時:2015年10月3日 20時