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１☆ ページ1
一目惚れをした
いつもの大学までの電車の中で
俺は唐突に恋をしてしまった
キミは開いたドアから朝のラッシュの人波
として流れ込んできた
そうして流れるまま電車の真ん中あたりで
つり革を持ちながら立つ俺の前に来た
キミはそれほど背が高くないから俺には顔が
よく見えなかった
でも、そのすとんと落ちる綺麗な髪可愛らしい
けど品のいい服装
全身から滲んでる空気
それらが
‘‘すごく可愛い子’’を連想させた
俺は確かめたい好奇心から
バレない程度に見ていた
ふとキミが顔を上げて俺を見てくる
キミはすぐに元のようになる
なんとなく自分の前にいる人を確認した
そういう仕草だった
予想通り可愛い子だった
この瞬間はただそれだけだった
車内が空いてきて俺たちが
近くにいる必要もなくなった
ほんのちょっと残念に思いつつ自然と離れた
終点で降りた彼女の後ろ姿を
絶望的な思いで見つめる
なにもすることができない
いきなりそんな勇気出せない
周りに人だっているのに
俺はせめてキミが俺と同じ電車に
乗ってくれることを強く願った
そしてキミは俺が乗る電車の改札をくぐった
一瞬、喜びと安堵が広がる
でもこの電車の中でも人はいっぱいだ
だからここでも見てることしかできない
キミは同じ年ぐらいに見えた
どこの大学だろう？
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作者名：ありす | 作成日時：2015年10月3日 20時
