8 ページ8
翌日、方向音痴である旭はしっかりと乗換の案内や地図などを見、開始1時間前にはドームに到着した
周りを見るとどの人も皆、オリックスバファローズのロゴの入ったカバンやグッズを身につけている
心から楽しめるものがあるのは羨ましいなと考えながら、荷物検査もクリアし、ドーム内に入場した
試合開始1時間前のドーム内にはすでに人が溢れている
何かまず軽く腹ごしらえを済ませてしまおうかと、あまり列も並んでいない店を探す
どこも混んでいるので仕方がない
1時間も並ぶことはないだろうと列に並び、店のメニューを見たり、廊下を歩いていく人を眺める
様々な選手のユニフォームを着ている人間がいる中、自身の弟のユニフォームを着ている者もおり、旭もありがたく感じた
『えっと…これ一つお願いします』
メニューを指差した後、右手の人差し指を立て、1を作って注文する
「かしこまりました!」
店員のお姉さんの笑顔に癒され、お金を払い、厨房をちらりと見ながら旭は頼んだものが完成するのを待っていた
そしてそれは完成し、店員にお礼を言って商品を受け取る
暖かい食べ物にわくわくしながら、旭はチケットに書いてあるゲートから中に入場した
迷子にならず座席にしっかりとたどり着けるか不安であったが、場所の確認ができるとてもわかりやすいサイトを見つけていた旭は、それを頼りに何回も確認し、無事席に着くことができた
『なんか思ったより近いな…』
他人が前を通るのは構わないが、人の前を申し訳ない気持ちで通るのが苦手な旭は、しっかりと端の席を取っていた
隣にももう人が座っており、周りを見渡しても食事をしていたり、カメラを持ち込み写真を撮っている人もいた
『僕も記念に撮っとくかぁ』
他人のカメラの大きさに圧倒されながらも、ズボンのポケットからスマートフォンを取り出す
それぞれの選手が練習をしていたりする中、誰が誰かもよくわからず、広角で京セラドームの球場を撮った
『でかいし広いなぁ…』
そんな小学生のような感想を呟きながらも
(兄)にもう球場に着いたということを知らせておくかと、メッセージアプリを開く
『"もう着いたよ、今日先発やろ?頑張りや"』
試合まで1時間も無いのに、携帯なんて見ていないだろう
もちろんすぐに既読がつくはずもない
最近のトーク履歴を眺めながら、やはり今日彼の先輩である選手などに会うのだと実感が湧く
72人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
過眠(プロフ) - のまさん» ありがとうございますとっても嬉しいです( ; ; )がんばります✨ (4月6日 15時) (レス) id: 8ab364d8bc (このIDを非表示/違反報告)
過眠(プロフ) - 大阪谷さん» コメントありがとうございます☺️楽しみにしていてください✨ (4月6日 15時) (レス) id: 8ab364d8bc (このIDを非表示/違反報告)
のま(プロフ) - 過眠さんの文章が好きです!頑張ってください😊 (3月22日 23時) (レス) @page7 id: 68538f0e3a (このIDを非表示/違反報告)
大阪谷 - 新作ありがとうございます!楽しみです☺️ (3月14日 13時) (レス) @page1 id: 382b1b8271 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:過眠 | 作成日時:2024年1月22日 20時