6 ページ6
午後には編み物の予定で
器用な利用者はどんどんとかぎ針などで糸を編んでいく
あまり編み物が得意ではない利用者は、職員と会話をしながらゆっくりと編み物をしていた
他の職員と利用者との会話を時々聞きながら、書類の整理や先生とのメールのやりとりを行なっていると、もう外からは夕焼けが差し込んでいて
16:00ごろに作業を終える決まりであるので、それぞれ利用者も職員も皆、身支度をして部屋を出る
『はい、じゃあお疲れ様でした。冬洲さんはまた明日ですね』
「うん、ほなね!」
『はい、お疲れ様です』
利用者を車で送っていく職員もおり、旭だけが誰もいない職場に残った
少しの掃除や片付けをし、明日の事業所の予定を確認した後、鍵をポストに入れ、退勤する
ちょうど停留所に来ていたバスに乗り込み、機械に定期券をかざし、席に座った
『いうてる間にもう明後日か』
人の少ない車内で後部座席に座った旭の周りには人がいない
疲れからか独り言を呟いた旭は、明後日の野球の試合を楽しみにしていた
『楽しみやなぁ…何食べよかな』
薄暗い車内でサイトを開き、球場に売っている食べ物を眺める
とても多くの種類の食べ物や飲み物があり、自分の胃の容量をもう少し増やしたいとも思った
『弟の活躍より、ご飯の方が楽しみやね…』
活躍してくれたらそれはそれで嬉しいけれども
旭は、野球のルールは最低限のことしかわからず、野球観戦を本気で楽しむよりも、球場の食事を楽しみにしていた
『ユニフォームとか別に持ってへんし…ま、私服でええか。明日は準備の日やなぁ』
ぼーっと明日の予定を考えていると
携帯の画面上部に、メッセージアプリの通知が現れる
それは(兄)からで
「"なぁ、明後日試合終わったらこっち来る?"」
旭は、試合後は特に帰るだけの予定だった
『"こっちって何"』
素直に(兄)に聞いてみると
「"俺の先輩が会いたいねんて、旭に"」
弟の先輩、つまりプロ野球選手たちが、(兄)の兄だからということなのか、自身に会ってみたい様で
(兄)は自身のことを誰が先輩に話したのだろうか
彼が旭のことを他人に話すことは珍しかった
72人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
過眠(プロフ) - のまさん» ありがとうございますとっても嬉しいです( ; ; )がんばります✨ (4月6日 15時) (レス) id: 8ab364d8bc (このIDを非表示/違反報告)
過眠(プロフ) - 大阪谷さん» コメントありがとうございます☺️楽しみにしていてください✨ (4月6日 15時) (レス) id: 8ab364d8bc (このIDを非表示/違反報告)
のま(プロフ) - 過眠さんの文章が好きです!頑張ってください😊 (3月22日 23時) (レス) @page7 id: 68538f0e3a (このIDを非表示/違反報告)
大阪谷 - 新作ありがとうございます!楽しみです☺️ (3月14日 13時) (レス) @page1 id: 382b1b8271 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:過眠 | 作成日時:2024年1月22日 20時