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けれどもやはり両親や、父母のどちらか、そしてそこに兄弟と共に写真を撮られる選手は居れど、親と言えるような年齢ではなく
新人と同じくらいの年齢の男性が隣に写っている写真や映像は、中川の目を引いた
「僕も野球選手なったみたいやっていうてた子やろ」
「何それ、かわいいやん」
当時、野球に興味もなく、テレビやニュースサイトにまとめられるような公の場で、報道陣やカメラに囲まれる状況
写真を撮られると言う経験が全くなかった旭は、弟である(兄)の隣に立ち、無数のフラッシュを浴びる
どんなポーズをすれば良いのか分からず、腕を真っ直ぐと横に下ろして指先を揃えたり、両手を前に重ねるなど
とにかくしっかりしなくてはと、丁寧な立ち方をしていた
勿論満面の笑みを見せるような性格ではなく、少し口角を上げるほどの微笑で
写真の中の数枚には、彼が指先を揃えた手で口元を隠して笑うような、女性的なものもあった
あくまでも主役は自身の弟なのだからと、旭は保護者のような見守る気持ちで(兄)の横に立っていた
一通りフラッシュが落ち着いた後も、未だに数人の記者のカメラや動画に収められているとは露知らず
旭は照れるように自身の頬を両手で包み、まるで自身もプロ野球選手になったかのような気分だと、マイクが拾ってしまえるくらいの声で呟く
初めての感覚であるこの状況の、少しの余韻に浸っていた
「俺んとこ、入団の時とか親来れんくて」
「やから兄貴が来たってわけね」
「はい」
旭と同じように福祉関係の仕事をする両親は忙しく、サービス業であるので仕事の時間が押してしまうことや、出勤が早まってしまうことは多々あった
大学受験をとっくに終えた旭は、両親の代わりに運良く、(兄)のこの会見に参加することができた
「ええやん、兄弟だけのツーショット。前代未聞ちゃう？」
「そうですかぁ？」
「知らんけど」
「はぁ、」
福田の適当な返事に、(兄)も呆れるように答える
(兄)は当時、どうせ皆両親などといるのだろう
自分は親の仕事の都合で双子の兄しか来てくれない
そんな状況を少し悲しんでいた
けれども兄のことを嫌厭している訳ではない
(兄)も、旭が自分のためにわざわざ来てくれて、兄弟で写真に収められたことを心の底では嬉しく思っていた
目立つことが好きな(兄)には、むしろ都合が良かったのかもしれない
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過眠(プロフ) - のまさん» ありがとうございますとっても嬉しいです（ ; ; ）がんばります✨ (4月6日 15時) (
レス) id: 8ab364d8bc (このIDを非表示/違反報告)
過眠(プロフ) - 大阪谷さん» コメントありがとうございます☺️楽しみにしていてください✨ (4月6日 15時) (レス) id: 8ab364d8bc (このIDを非表示/違反報告)
のま(プロフ) - 過眠さんの文章が好きです！頑張ってください😊 (3月22日 23時) (レス) @page7 id: 68538f0e3a (このIDを非表示/違反報告)
大阪谷 - 新作ありがとうございます！楽しみです☺️ (3月14日 13時) (レス) @page1 id: 382b1b8271 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：過眠 | 作成日時：2024年1月22日 20時
