検索窓
今日:6 hit、昨日:70 hit、合計:61,682 hit

ページ11

幸い空腹でも飲めるものであったので



「ちょっと待ってて」



そう旭に告げ、彼の家のキッチンへ行き、適当なコップを取り、水道水を注いだ
そしてまた旭の元へ戻ってくると

解熱剤を1錠、シートから取り出し、水と共に旭に差し出した



『ありがとうございます、』



粉薬じゃなくてよかったぁ、

と、旭は呟きながら、口の中に一粒錠剤を放り込み、水で流し込んだ

薬を飲むのに上下する喉を見、
普段は彼が水を飲んでいるところなんて見ているのに

今はなぜか妖艶で
またも小田は目を逸らそうとした

だが、旭が薬を飲み込むところを見なければ安心ができず、しっかりと見届ける



『飲みました、』



熱い息を吐いて落ち着く旭に



「じゃあ、あとはしっかり寝て」



そう告げると



『もう帰っちゃうんですか、?』



小動物のように、眉を下げて甘える旭
病人を置いて帰る訳など無く



「いや、居るよ」

『よかったぁ、』



安心で旭の顔が綻ぶ

だが、とにかく熱を下げなければ



「そういえばおでこに貼る冷たいやつ、あれあるの?」

『あー、冷蔵庫にあった気がします』



旭がそう答えるので、小田は再びその場から離れ、冷蔵庫に向かい、扉を開けた

扉側の上の方にそれらしきものがあり、一枚取り出して旭の元へ戻る



「これ貼るよ」



フィルムを剥がし、自身の手で旭の額に掛かる髪を上げる

露わになった額に、冷却シートを貼った



『冷たっ、』



急な刺激で、眉間に皺を寄せる旭に



「良くなるから」



子供を看病するように、手を握った



『小田さん手ぇ冷た、』

「急いで来たからね、」



こんなに自身に自由にされる旭を見ることができるのは、今だけかもしれない










彼の暖かい手を握っているうちに、寝てしまっていたようで、

目を開けると、旭は荒く呼吸をし、小さく唸っている

旭の額に貼られた冷却シートは随分ぬるくなり、剥がれかけていた

急いでそれを剥がすと、旭も目を覚ます

旭の体調は良くなっている気配はなく、むしろ体温が上がっているようだった

起き上がることも辛そうで、急いで机の上にある体温計を取り出し、電源をつける



「ちょっとごめんな、」



旭の服の襟を引っ張り、脇あたりに差し込んだ

手が体を掠めただけでも、身体の熱さは伝わる

どうか命に関わるほどに体温が上がって上がっていませんように
と願うように、旭の手を握った

続→←Bs50...male/female



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (33 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
239人がお気に入り
設定タグ:プロ野球 , オリックス   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

過眠(プロフ) - 凛さん» ぎゃ❗️ありがとうございます❗️長編にしようと思っているのでよければ楽しみにしていてください❣️ (11月27日 22時) (レス) id: 4e02012d1f (このIDを非表示/違反報告)
- Bs6&Bs67のお話狂おしい程好きです! (11月26日 13時) (レス) id: c2c2ad41a8 (このIDを非表示/違反報告)
過眠(プロフ) - りりりさん» コメントありがとうございます😭❣️もしかしたらいつか書くかもしれません、🤭応援ありがとうございます励みになります😢❣️ (11月22日 9時) (レス) id: 4e02012d1f (このIDを非表示/違反報告)
りりり(プロフ) - 6さんと67さんのお話だけでもう作品作っていただきたいくらい好きです!応援してます! (11月21日 19時) (レス) @page14 id: 724b4ec6c3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:過眠 | 作成日時:2023年11月3日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。