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demon13 ページ14

「まあたそうやって隠す。はっきり云って、この三人の中で織田作の仕事の話が一番面白いのだからね。白状して貰おうか。」



ダザイがぶすくれて云うとオダサクは少し考えてから指を折りながら答えた。



「マフィア傘下の商店街で起きた盗難事件の調査。近所の小学生共が犯人だった。それから拳銃を紛失したと云う系列組織のチンピラと、そいつの自宅を掃除。炊飯釜の中で見つかった。続いてフロント企業の役員が、愛人と妻に挟まれて修羅場だったのを仲裁。あとはマフィア事務所の裏手で見つかった不発弾の処理…それで先刻Aの銃の訓練に付き合ったな。」

『最近はよくお世話になってるわね。』

「ねえ織田作、真剣に頼むのだけど、私と仕事交換しない?だって不発弾だよ!二人共、聞いた?どうして織田作にばっかりそんな面白い仕事が回ってくるのさ?不公平だ!明日首領に、不発弾の処理もさせてもらえない幹部なんて辞めてやる、って直談判しよう!」



アンゴはいつもの事と云う様子で適当に(うなず)いているけど──



『そんな死にに行くような仕事、森さんはダザイに絶対行かせないでしょうね…。』

「じゃあせめて、次の仕事は一緒に連れていってよ。邪魔しないからさ。」

「お勧めしませんね。犯人捜しや失せ物捜索はともかく、人間関係の悶着(トラブル)に太宰君を連れていっても、盛大に延焼するだけです。」

『激しく同意させて頂くわ。』

「私の所為で延焼する人間関係って何か素敵。」



アンゴと私は大きく溜息をついた。

オダサクも、重役の妻と愛人に左右同時に怒鳴られ続けた時は、その場で舌を噛み切ろうかと二度ほど考えたそうだ。



「太宰君、他人の仕事に頸を突っ込む前に、何か趣味を持ったらどうです?自 殺未遂よりもう少し健康的な奴を。」

「趣味って云ったってさあチェスや碁は簡単すぎてつまらないしさ。何かある?」

『そんな唇尖らせたって可愛くないわよ。…運動競技(スポーツ)とかどう?』

「私疲れるの嫌い。」

「学問は?」

「面倒だなあ。」

『じゃあ料理とかどうかし…むぐっ』



云い終わる前にアンゴに口元を押さえられた。

どうやらダザイの料理にはトラウマがあるらしい。




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作者名:愛麗愛 | 作成日時:2019年11月13日 23時

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