おやすみ ページ11
──────
─────
────
「喉乾いたな」
水かお茶どっちにしよう、と思いながら台所に向かい紙コップに結局水を入れて飲みながらぺたぺたと素足の足音を立てながら寝室へと戻ってきた。
「……ん?んん?」
ゆっくりとベットに近づくとそんな声が聞こえ、布団をペラリとめくると、不思議そうにしながらぺちぺちと私が先程まで寝ていた場所を叩いてるセンラがいた。
「寝ながら探してる……」
思わず呟きながら手を伸ばすと、べしと手を叩かれた。それでいると安心したのか私の手を掴んだまま静かになった。
「……っ、かわ」
────いい という続く2文字が力みすぎて消えていってしまうほどに彼の可愛さに悶えていた。無意識の中でさえ求められている。彼の中で私はいつでも居るはずの当たり前の存在になっている。それが酷く嬉しくてぎゅっと彼に抱きついた。
「んん??」
するとその衝撃で起きてしまったのか何、と彼は掠れた声を零してきた。そんな彼はすぐ眠ってしまうだろうと鷹を括り、そのまま答えずに笑っているとえ、何怖とか言われたのでどうやら目が覚めてしまったらしい。
「寝てる間にベットに居ない私の事探してるセンラが可愛くて仕方なかったの」
ようやく笑っている理由を話してあげると暫く無言が続く。恥ずかしかったかな、と照れた顔を人目見てやろうと思い顔を上げる。すると、暗がりの中で薄らと月明かりに照らされた怪訝そうな顔をするセンラが浮かび上がる。思っていた表情とは違い首を傾げると彼は不機嫌そうに口を開いた。
「何言うてんの、Aもやるやんけ」
Aもやるやんけ──────??
5秒ほど意味がわからなかった。いや分かりたくなかった。彼だけがする、可愛い行動。そう思って嬉しさが募ってたのに私もしてたなんて。恥ずかしくて穴があったら入りたい。
「……知らなかった」
私のそんな言葉にんふふ、とご機嫌に笑うセンラはまたゆっくりと夢の世界へと戻って行った。規則的な寝息に安堵しつつ、穴は無いのでその腕の中に入ることにした。
「おやすみ」
253人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
潮田 陽菜(プロフ) - senkun1003さん» こちらこそ素敵なリクエストありがとうございました😊何度も読み返すほど気に入って頂けてとても嬉しいです(_ _*))こちらこそ素敵なコメントありがとうございます(*ˊᵕˋ*) (2022年11月16日 12時) (レス) @page48 id: 68f958ed6b (このIDを非表示/違反報告)
senkun1003(プロフ) - 潮田 陽菜さん» リクエスト答えて下さりありがとうございます😭凄い好みで何度も読み返してます😭素敵な作品をありがとうございます😭 (2022年11月15日 23時) (レス) id: 354fb7ca1c (このIDを非表示/違反報告)
潮田 陽菜(プロフ) - senkun1003さん» コメントありがとうございます!!3次元に近い感じをイメージして書いてたので汲み取って頂けてとても嬉しいです(*^^*)リクエストありがとうございます!是非書かせて頂きますね!! (2022年11月14日 9時) (レス) id: 68f958ed6b (このIDを非表示/違反報告)
senkun1003(プロフ) - 思いました! すみません、書きたいこと沢山になってしまい長文失礼致しました。可能でしたらリクエストの方よろしくお願いします! (2022年11月14日 2時) (レス) id: 354fb7ca1c (このIDを非表示/違反報告)
senkun1003(プロフ) - (センラさんが遠征で居なくて寂しかった時の上着をぎゅってしてるところとかからそういうイメージを持ったので)で、そんな夢主にあまり得意では無いサプライズを計画して1日沢山笑わせて甘々してくれるセンラさんを見て、もっと甘えてええんやでって言われたいなぁと (2022年11月14日 2時) (レス) id: 354fb7ca1c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ