＊ ページ31
Aside
『やっと、終わった…』
ホラー番組が終わり、思わずそんな声が零れた。やっと解放してくれる、と思ったのに一向に離されないこの手。むかっとしてバッと勢い良く振り返った。
『ちょっと、まふさ…！』
その瞬間、何が触れた。目は開いているのに焦点が合わなくて今何が起こってるのか、分からない。そして、そっと、私の手をそのまふさんの男らしい大きなゴツゴツとしたまふさんの手が握っている。微かに感じる手の暖かさ。
「…っ、ごめん！Aちゃん！」
離れたと思ったら体を引き剥がされ、彼は床に頭を擦り付け、私に謝罪の言葉を向ける。
今の、何？
キス…だよね？
「えっ…ご、ごめんね！泣くほど嫌だったに決まってるよね、ほんと僕なんかがごめんね…」
いきなり、まふさんがそう言って私の目尻に指を這わせ、拭った。その行動を見て、私は今、涙を流しているんだと自覚した。
『──違う』
違うの、ともう一度言って彼の手首を掴んだ。そして、彼の悲しそうな瞳を見つめ、言った。
『その、嬉しくて…初めてが、まふさんだったのが嬉しかったの』
なんてこと言ってるんだろう、と自覚はあった。とんでもないことを言っているって。ほら、まふさんも引いてるでしょ？ダメだ。もう後戻りできない。
『分かってる。まふさんは、私の事好きじゃないって、でも、私…！』
「──ダメ、それ以上言わないで」
そう言って、口を手で抑えられた。ほら、やっぱり。私の好きって言葉も聞きたくないんだ。
「ここから先は僕に言わせて？」
なんて、私のことを愛おしそうに見つめるまふさん。ねぇ、これって期待してもいいんだよね？と思い頷くと彼は小さく笑って私を抱きすくめた。
「僕さ、いつの間にかAちゃんに惹かれてた。その笑顔とか、優しいところとか、まふさんって僕を呼んでる声とか、全部、全部。大好き」
言い終わったあと、私の体をそっと離し、私の瞳を見つめるその真剣なまふさんの顔。
『────嘘だ、絶対嘘だ』
その言葉に、そんな、掠れた声が零れた。
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潮田 陽菜(プロフ) - ちょこ２（パソコン変わりました≪元ID ５ad0b4ef6a≫））さん» 楽しんで頂けたようで幸いです😊その後のお話が欲しいと言って頂けて大変嬉しいのですが個人的にはここで完結させておくべきだと私的には思っているのでその後のお話は期待しないでいてほしいです。お気持ちはとても嬉しかったです。ありがとうございます😊 (5月29日 11時) (
レス) id: 68f958ed6b (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ２（パソコン変わりました≪元ID ５ad0b4ef6a≫）） - とてもよかったです！その後話が欲しい！ (5月24日 21時) (レス) id: c7ac99c812 (このIDを非表示/違反報告)
潮田 陽菜(プロフ) - 音恋&五月雨さん» そう言っていただけて嬉しいですヽ(*´∀｀)ノありがとうございます。これからも頑張りますので何卒宜しくお願いします(*_ _) (2018年7月13日 22時) (レス) id: b5c447886f (このIDを非表示/違反報告)
音恋&五月雨 - まふくんに改めて惚れちゃう作品でした！これからも頑張ってください(*´∀｀*) (2018年7月8日 22時) (レス) id: 9a55362602 (このIDを非表示/違反報告)
潮田 陽菜(プロフ) - りあさん» そう言っていただけて嬉しいです！これからも頑張りますのでよろしくお願いします(〃・д・) -д-))ﾍﾟｺﾘﾝ (2018年6月16日 16時) (レス) id: b5c447886f (このIDを非表示/違反報告)
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