＊ ページ22
Aside
『……これで、大丈夫かな』
会社のトイレの鏡の前で呟いた。その赤い跡に絆創膏を貼り、顔を突き出すようにして首元を見る。こんな所に絆創膏を貼ると、朝からお盛んアピールみたいで、凄い恥ずかしい。
｢おはよ、A｣
『おはよっていうか、もうお昼すぎたよ、くろちゃん』
突然肩を叩かれ、その首筋を隠すように手を当てながら、彼女に苦笑を向けて、そんな言葉を返した。
｢なんか、挨拶っておはようのが気分いいじゃん？だから、私はいつでもおはようなのっ｣
と、ドヤ顔をした彼女にもう1度苦笑を向けて、化粧直しを始めた。
｢あっ、A、なんかいい匂いする、香水？｣
ドキッと胸が跳ねた。私は香水なんて滅多につけない。付けたとしても何処か出かけに行く時だ。だから、私に匂いが付いてるとしたらいつも香水をつけている彼───そらるさんだ。
『え？そうかなー』
なんて、引き攣りそうな顔を必死に動かして笑顔を作った。それに、くろちゃんは一瞬だけ怪訝そうな顔をしたが、聞いちゃいけないことだと察してくれたようで特に聞いてこなかった。
｢───で、どうなの。そらるんとは｣
『え゛』
そんな風に何でもないように、明日の天気を聞くかのようにすらりとそんな言葉を並べられ、驚いて女子力がマイナスになりそうな声を零してしまった。そんなこと聞かれるんだったら、香水について聞かれた方がまだマシだった。
『ど、どうって……』
そう言葉を濁すと、くろちゃんはあからさまにニヤニヤと笑みを浮かべ、私を見た。
｢まぁ、そこに絆創膏貼ってるあるってことはそれなりの想像はするけどねっ｣
なんて言われ、くろちゃんが人のことをからかうのが好きだと言うことを思い出し、頭が痛くなる。
『か、蚊に刺された、だけだし……！』
｢へぇ、今は冬だけど？｣
なんて言葉に見事に敗北。私なんかよりも、彼女の方が更に上だ。
｢まぁ、無理には聞かないから。頑張って｣
なんて言って、私の肩を軽く叩いて、出ていったくろちゃん。何を頑張れというのだろうか…？
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潮田 陽菜(プロフ) - ろあ。さん» 歌のような恋、とても素敵な表現ありがとうございます(*^^*)そう言って頂けて有難いです。コメントありがとうございましたm(_ _)m (2021年2月26日 1時) (
レス) id: 71e4183107 (このIDを非表示/違反報告)
ろあ。(プロフ) - 歌のような恋ですね。。。なんというか、その、甘酸っぱい感じ？がします！私にはこんな素晴らしいお話書けそうにないのでとっても尊敬してます！ (2021年2月24日 21時) (レス) id: edab8e7c8b (このIDを非表示/違反報告)
潮田 陽菜(プロフ) - トリ@推しキャラたくさんさん» コメントありがとうございます！私的に、そらるさんの感情を書くの、すごく難しくて^^; そう言っていただけて嬉しいです(*^^*)これからもこの作品を宜しくお願いしますm(_ _)m (2018年3月21日 16時) (レス) id: b5c447886f (このIDを非表示/違反報告)
トリ@推しキャラたくさん(プロフ) - コメント失礼します。このお話、すごく感動しました！そらるさんの夢主ちゃんを思う気持ちが切なくて、思わず泣いちゃいました。素敵な作品を書いてくださってありがとうございます！更新頑張って下さい！！ (2018年3月20日 19時) (レス) id: 0fc1208a5a (このIDを非表示/違反報告)
潮田 陽菜(プロフ) - いちごみるくさん» いえいえ、きちんと言ってもらえる方がコチラとしては有難いので(*^^*)皆さんに読みやすいものを提供できるように色々探してきますねっ！これからもこの作品をよろしくお願いしますm(_ _)m (2018年3月10日 17時) (レス) id: b5c447886f (このIDを非表示/違反報告)
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