貴方と一緒にいきましょう【荼毘】 (ページ37)

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70話ページ37

あれから荼毘さんは「少し出掛けてくる」と言い残してどこかへ行ってしまった。

私はその間にご飯を作っておく。一人暮らしはまだ慣れてないし、手際がいいと言えるほどではないので、レシピを見ながら作る。

冷蔵庫を行ったり来たりして作っていく。カツオの出汁をとって、具材を入れて、味噌を溶かすといい匂いがしてきた。

ご飯もそろそろ炊けるだろうし、順調に進んでいる。
おかずもサクッと作り終わり、大皿に移す。

ピーと電子音が聞こえて、米が炊き終わったタイミングで玄関の開閉音がした。

『荼毘さん！おかえりなさい、ご飯できてますけど今食べます……か？』

言い切る前にギュッと抱きしめられる。はぁ、とため息をついて綺麗なお顔が見えた。

「ただいま」

『…はい、おかえりなさい荼毘さん』

ちゅ、と唇が重なった。でも触れるだけじゃ飽き足らず、舌をねじ込まれる。

お互いの吐息が溶けるぐらい熱い。体を手で押したがお構い無しに続けられ、荼毘さんの手が腰あたりを撫でる。

『ん、ぁ………だ、びさ……』

「……………飯食うぞ」

『う、うん、？』

急に片手で目を覆ったと思えば、真顔になって準備をし始めた。なんなんだ。

少し気になって個性で、荼毘さんの心の声を覗いて聞いてみた。

(抱きたい。めちゃくちゃにして俺以外じゃ満足出来ない体にしたい。さっきベット見たけど絶対におそ)

衝撃的な心の声過ぎて使うのを辞める。
このむっつりスケベ……………何を考えとんだ貴様……聞かなきゃ良かったこんなの………

顔が赤くなるのを必死に抑えながら、荼毘さんと一緒にご飯を食べた。誰かと食べるのは久しぶりで、いつもより何十倍も美味しかった。