黒と白の念子Ⅴ (ページ31)

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231話ページ31

カルエゴ)この間はA先輩が来て兄上について聞かれたが、悪周期間近でそれ所じゃなくて兄上との会話しか伝えていなくてな……ん？なんだ？どうした？シチロウ

全てを話、疑問も解決したカルエゴくんも、
気を緩め次々と思っていた事を口にするが、
それを口にすることにより、バラムくんの顔が青ざめていく。

バラム)いや……あのっ……ごめんね、カルエゴくん

カルエゴ)？は？

バラムくんがカルエゴくんに謝っているのを見て(・・)私は、カルエゴくんの背後から顔を覗かせ声をかけた。

A)元気そうで何よりです。カルエゴくん

カルエゴ)は！？うわぁぁ！！な、何でお前がココに！どうやって！？

私の登場に予想していなかったカルエゴくんは、
突然の事に驚き飛び退けた。

A)バラムくんご協力感謝します。さて、カルエゴくん。私は全てをココで見て聞いていました。

カルエゴ)協力って…シチロウ！一体コレはどう言うっ！

バラム)ごめんねカルエゴくん、実は……

A)生徒達が貴方からメールの返事がないと心配していまして、それを伝えるついでに様子見をと……と生徒達には言いましたが、私の目的は以前伺った際の貴方の言動に思う事がありましてね。それを確かめる為にバラムくんに協力してもらったのですよ。

そう、以前ナルニアとの話を聞きに行った際、
カルエゴくんはイルマ様について何も分からないと言っていたが、その時のカルエゴくんの表情や仕草は何かを隠している時のモノだった。

私の立場と彼の立場からして
おそらく、まだ、私には言えない(・・・・・・・・・)のだろうと踏み、同僚であり友人であるバラムくんにならと思い協力してもらい、
私は認識阻害の魔術を使いバラムくんと共に中へ入り、
ずっと側で聞いて、時にはバラムくんに質問の指示を出していたのだ。

A)バラムくんは私の指示に従ったまで。責めないであげてください。

そう言って私はバラムくんの隣に腰をかけ、
カルエゴくんと向かい合う。

カルエゴ)……つまり…最初から貴方はココに居て全てを見て聞いていたのですね……

A)はい

カルエゴ)………それで……俺をどうするつもりですか？

イルマ様の秘密を知ってしまったカルエゴくん。
そして、その事実を知った私。

番犬としてどうなるのか不安を見せるカルエゴくんに
私はﾌｯと笑みをこぼす。