230話 ページ30
そう言ってバラムくんは、カルエゴくんの向かいのソファーに腰をかけると、ｺﾞﾄｯと音をたて携帯を机におき、
真剣な顔でお話しを進めた。
バラム)それで？そんなにひどかったの？デビキュラムでの兄弟喧嘩
カルエゴ)喧嘩はしていない…だが…確実に分かった事はある。兄上は明確な悪意をもってアトリをバビルスに潜入させていた。
バラム)本人が言ったの？
カルエゴ)あぁ、仕方がなかったとな。他に誰が関わっているのかは分からないが…
バラム)どうするの？
バラムくんのこの質問に、
カルエゴくんはギュッと自分の両手を握ると
カルエゴ)……俺のスタンスは変わらない。牙を剥いた以上兄上は
と答えた。
バラム)……わかった。他に何か手に入った情報はある？
カルエゴ)シチロウ…今から俺がする質問に
カルエゴくんのこの言葉にバラムくんは静かに頷く。
カルエゴ)兄上は言っていた。イルマにはこれ以上近づくな、ヤツは危険で忌むべき存在だと。シチロウ、イルマは人間なのか？
この言葉に、バラムくんはカルエゴくんの言われた通り、
何も答えず目を見つめた。
カルエゴ)そうか
バラム)カル……
カルエゴ)
そう言ってカルエゴくんは髪をｸﾞｯと上げると、
いつものキッチリとキメたヘアスタイルになり……
カルエゴ)バビルスの平穏を乱す者はすべて私の敵だ。それが身内でも同僚でも生徒自身でも、そして…私は何も聞いていない。私が質問をし貴方は答えなかったそれだけです。そうですね？
そう言ってカルエゴくんはバラムくんを指差す。
それにバラムくんは頷くと
バラム)はい。私は何も話していないし貴方は何も知りません。これまで通りのナベリウス・カルエゴ先生です。
カルエゴ)では、この話は以上です
カルエゴくんがそう言うとバラムくんは緊張の糸が解け
はーーと息を吐きソファーにもたれかかる。
バラム)ありがとう、カルエゴくん
カルエゴ)なにがだ
バラム)なんでも…
カルエゴ)まったく…どいつもこいつも好き勝手しおって
バラム)お疲れ様です
カルエゴ)お互いにな…しかし……
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作者名：モンブラン | 作成日時：2023年8月24日 16時
