黒と白の念子Ⅴ (ページ29)

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229話ページ29

バビルス近郊
北東
カルエゴ邸

バラム)カルエゴくーん僕だよー

バラムくんの声により扉が開く。
扉を開けたのは家主のカルエゴくんだ。

カルエゴくんは、ただでさえ目付き悪いのに、
さらに鋭くなった目付きに、普段キッチリとした服装のヒトが、Tシャツ姿で、髪も無雑作で、無言でバラムくんを家に入れた。

バラム)お〜かなりきてるね

リビングは悪周期による影響で壁は引っ掻いたような爪跡があり、床は殴ったようで凹んでいて、家具はボロボロに引き裂かれているモノも。

ただ、彼の凄い所は、
悪周期で家具や壁はボロボロにしても、
書類だけは綺麗に置かれているのだ。

バラム)台所かりるよー

そう言ってバラムくんは台所からコップを取り出し水を入れると、それと１つの袋をカルエゴくんに渡した。

バラム)はい、悪周期の薬！水で飲んで！

水と薬を無言で受け取ったカルエゴくんは、
薬を口に入れ水で流し込む。

その間、バラムくんはカルエゴくんに話かける。

バラム)カルエゴくんさぁオペラ先輩にメール返してないでしょ

バラムくんのこの言葉に、
カルエゴくんはグッと水を飲み込み咽せる。

バラム)も〜ちゃんと返信しなよ〜心配してたよオペラ先輩

カルエゴ)………悪い

バラム)本人に言いなよ

カルエゴ)お前…仕事は？

バラム)途中でぬけてきたよ。大事な仕事だからキミの面倒みたらすぐ戻るけど…あ〜ほら！メールいっぱいたまってる！

バラムくんはカルエゴくんの携帯を取り中を見る。

そこには問題児生徒達からのメールが沢山溜まっていた。

カルエゴくんは面倒と言いながらソファーに座り休む。

カチカチと操作をし、中を見ていると、
ﾋﾟﾛｯと音を立て1通のメールが届いた。

そのメールを開くと、
そこには早くよくなれ担任と書かれた黒板を背に
リード、クララ、イルマ、アリス、ソイ、ゴエモンが写った写真と、皆からのメッセージが

リード〈カルエゴ先生大丈夫ー？〉

クララ〈元気が出るクララ体操を伝授してしんぜよう〉

ソイ〈もうちょい休んでていいよ〉

入間〈ゆっくり休んでください！皆でまってます！〉

バラム)わー！問題児のみんなからお見舞いメールいっぱいきてるよ！

カルエゴ)ﾌﾝ、電源切っといて正解だったな、やかましい

バラム)ちゃんと返信しなよ〜みんな心配してるんだから…

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