第伍話 ページ7
.
しのぶさんから貰った薬はとてつもなく苦かった。
だけど直ぐに回復して翌日にはもう殆ど動けるように
なり、また翌日になると完治した。
約四日間、きよちゃん、すみちゃん、なほちゃんとも
仲良くなれたし、アオイさんはテキパキ仕事をこなし
ていてかっこよかった。
私も頑張らないと。
お世話になった人たちにお礼を言いながら、蝶屋敷を
まわっていると見た事のある女の子がいた。
『(最終選別の時にいた…)』
確か、傷一つ付けずに突破していた子。
『あの!』
私が声をかけると、庭にいた女の子は振り返った。
私は縁側まで行って腰をかけた。
私は、しのぶさんやアオイさん達の口から時々出てき
た名前を思い出した。
『もしかして、貴女がカナヲ?』
女の子はコクリと静かに頷いた。
『それじゃあ、しのぶさんの継子っていうのはカナヲ
なのね!』
カナヲはまたコクリと頷いた。
『私は緑川桜。
良かったら、私たち同期だし、同じ継子仲間だから、
今度お話しましょう!』
カナヲは笑顔でまたまたコクリと頷く。
『それじゃあ!』
そう言って手を振れば、カナヲは微笑んで見送ってく
れた。
『(物静かな子なんだなぁ〜)』
何だか友達ができたみたいで嬉しかった。
.
104人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:びすこ | 作成日時:2020年4月30日 2時