序章 ページ2
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『私、貴方みたいに強くなりたい…!』
昂る感情が抑えきれず、私は男にそう言った。
すると男は少し悲しそうな顔をして、私の前まで来る
と目線を合わせる為にしゃがみ込んだ。
「…お前みたいな奴は俺みたいになるんじゃねェ。」
大きくて暖かい手でくしゃっと私の頭を撫でた後、男
は立ち去ってしまった。
けれど私は、この引き寄せられるような気持ちを忘れ
ることが出来なかった。
あの人みたいに強くなって、私も誰かを守りたい。
きっと、そう思い始めたのはこの時からだ。
そして今、私はあの時の貴方の様に腰に刀を携えて、
隊服を身に付けている。
もう私は守られるのではなく、誰かを守る立場になれ
たのです。
今度会えたら、あの時のお礼を言わせてくださいね。
なんて思っていたのに、
実弥 「オイ、テメェ!!!
誰が休んで良いと言ったァ!!!」
『あぁぁ!!!!
師範、私のおはぎ食べましたね!?』
こんな人だとは思いませんでした。
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作者名:びすこ | 作成日時:2020年4月30日 2時