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第37話 夢現 ページ3

【顔色が優れないようですが】


優しい、優しい、暖かな人。


【気分が優れないのであれば病院、へ…】


泥にまみれて腹を空かせる子供がいれば、誰もが見ないふりして通り過ぎるこの世界で、膝をついて着物で泥を拭いとってやる。


行く宛てがないのなら、うちで働けばいいよ。


そんな、そんな、誰よりも、優しくて、なによりも眩いあの人を。


【私の顔色は、悪いか…?】


この男は!こいつは!!!


【何に変えても!どうやってでも殺す!殺してやる!!】
『うっ…あぁああああっっっ!!!』


突然の叫び声に、善逸が目を覚ます。

そして慌てたように隣に敷いている布団の傍に行くとそこで引き抜かんばかりに髪を握りしめるAを抱きしめる


『いやっ…いやぁっ!だん、旦那様…、!お父さん!!』
「Aちゃん!落ち着いて!」


両手で顔を覆い隠しながら泣くAを善逸が強く抱きしめる。

Aがこうなるのは、初めてではない。蝶屋敷にいるときから、ずっとこうだ。


『ころ…ころした…!あいつ!あの男!あの男が!!』
「いない!そいつはもう!Aちゃんの近くにはいないから!!」
『血が…お父さんの…血が!やだ!やだぁ!汚い!汚い!


お父さんの血に、興奮する自分が…!きたな…』
「汚くなんてないから!!!」


Aの言葉を遮るように叫ぶ。

こうなったAは必ずと言ってもいいほど自分を穢らわしいという。


最愛の人の血に、肉に、興奮している自分がいるのだと。


『ぜん、いつ…さん…?』
「そうだよ、今目の前にいるのは俺だから、俺だけだから…」
『……ぜんいつ…さ……!…ひっ…血!血がっ!お父さんの、血が!!』
「大丈夫、大丈夫だよ…!それは血じゃないから!それはAちゃんの赤だよ!」


少し落ち着いたAが掻きむしり、手に絡みついた髪を見てまた震え出す。


僅かな月明かりしかない暗がりで、Aの赤は血に見える。


『…私の、赤……?ふ、ふふ…やっぱり、汚い…私は、私の赤は…忌み子の…』
「違う!違うから!Aちゃんの赤はすごく綺麗だよ!!」
『…そう、言ってくれるのは………っ』


一頻り叫んだAは突然ふっと気を失うように眠りつく。


もう何日も、こんな状態だ。

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いーさん(プロフ) - 夜月悠さん» 嬉しいお言葉をありがとうございます!とっても嬉しいです!はい!頑張らせて頂きます!ありがとうございます! (2019年10月19日 15時) (レス) id: 4740787582 (このIDを非表示/違反報告)
夜月悠(プロフ) - 貴方の作品を見ていると、心揺さぶられます。文章を読んでいるだけなのに自然と感情移入してしまうほどの、文章を書く貴方は凄いです!長々と話してしまいそうなので…言いたいことだけ言いますね!!"無理せず更新頑張ってください!!応援してます!!"です!! (2019年10月19日 1時) (レス) id: 8014d49c6f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いーさん | 作成日時:2019年10月18日 22時

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