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顔の火照りを冷ましてから、坂田くんが待っている机に戻る。随分遅くなっちゃったなぁ。
｢…遅かったやん、何しとったん？｣
見るからに不機嫌そうな坂田くん。志麻先輩にキスされた、なんて本当の事を言えるはずもなく、咄嗟に口から出たのは我ながら下手くそな嘘。
｢本、選ぶのに迷っちゃって…｣
｢嘘やんな、人と会ってたんやろ？｣
え、何でわかったの、と呟けば、やっぱり会ってたんかと言われて、カマをかけられたんだと気づく。こういう時に限って鋭い坂田くんに嘘はつけない。
｢で、誰と会ってたん？｣
｢し、志麻先輩だけど…｣
｢…Aって志麻くんの事そうやって呼んでたっけ？｣
｢呼んでって、お願いされたから…｣
坂田くんの威圧感を感じる言葉に、嘘を吐けないか。私を見つめる彼の目は、憎悪や嫌悪に塗れていた。見た事のない感情の起伏に、少しだけ怖くなって1歩足を引いてしまったのだが、それを坂田くんが見逃すはずもなく腕を掴まれて呆気なく引っ張りこまれる。
坂田くんの腕が背中に回って力強く抱きしめられるもんだから、表情を見るために顔を上げる事もままならない。今が長期休暇中で本当に良かった。
｢…Aの1番は、ずっと俺やったのに。｣
｢さ、かたくん…？｣
掠れた声で独り言のように呟く彼に、私は上手く返してあげられない。こんな時センラくんだったら上手な返しが思い浮かぶんだろうな、なんて考えていたら、今までぎゅっと抱きしめられていた体が机に押し倒された。
何が起こったのかわからないまま半分パニックになりつつ、ようやく見えるようになった坂田くんの顔を見上げる。その目には、さっきまでの嫌悪の色は見えず、寂しさだけが映っていた。
｢Aに何かあった時、1番に相談してくれるのも、Aの1番の友達も、Aと1番に仲良くなったのも俺だったのに…｣
赤い瞳にじわじわと透明な液体を溜めながら、私の腕を固定して上に覆いかぶさっている坂田くん。彼の口から紡ぎだされる言葉に、何も言えなくなってしまう私。
｢Aの中で1番は俺じゃなくなった？
センラとか志麻くんとか、うらさんとか、他の人になった？｣
｢そんな事ないよ…私の1番のお友達はずっと坂田くんだよ…｣
嘘じゃない。センラくんは確かにいい友達だけど、坂田くんほど何でも話せるってわけじゃない。やっぱり私の1番は坂田くんだ。
｢…じゃあ、俺の事好き？｣
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まにゅ(プロフ) - 暁さん» 嬉しいですありがとうございます(T_T)期待に添えるよう頑張ります！ (2019年4月10日 22時) (
レス) id: 886f7501c3 (このIDを非表示/違反報告)
暁 - すごく面白いです！！無理なさらずに頑張ってください！！ (2019年4月10日 19時) (レス) id: 5628b1917f (このIDを非表示/違反報告)
まにゅ(プロフ) - 桜さん» ありがとうございます！頑張りますね(^ ^) (2019年4月8日 8時) (レス) id: 886f7501c3 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 面白いです！最高です!!魔法研究気になります！亀さんでもいいので頑張ってください! (2019年4月7日 21時) (レス) id: fdd942ce22 (このIDを非表示/違反報告)
まにゅ(プロフ) - 志麻セン寄りの箱推しさん» ありがとうございます(T_T)更新頑張ります！ (2019年4月7日 15時) (レス) id: 00588a474f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まにゅ | 作成日時：2019年3月18日 10時
