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２３０話：勘違い ページ7
烏天狗「………泣いてたの？」
貴方「やっぱり、わかる……？」
烏天狗「まぁ……」
気まづい雰囲気になっちゃったな。
私は着物の裾で残りの涙を拭き取りながら、
烏天狗に言った。
貴方「昨日はありがとう、ちゃんとお礼言えて無かったから。運んで来てくれたんだね。」
烏天狗「そんなの大した事じゃないよ。」
貴方「ううん、烏天狗が居てくれて良かった。」
烏天狗「……そうやって…」
貴方「え…？」
烏天狗はボソッと何かを呟くと、
素早い動きで私の手首を左手で掴んだ。
そのまま布団の上に片膝を立てて
私の頬に右手を添えた。
烏天狗「そうやって…土蜘蛛と大ガマにも接してきたの……？」
貴方「か…烏天狗……？」
烏天狗「……君は想い人が居るから、何も思わないかもしれない…。でも、勘違いしちゃうような事、言っちゃダメだよ…。」
貴方「どういう………」
烏天狗「さっきみたいに、僕が居て良かったとか。」
貴方「それは本当にそう思って…！」
烏天狗「わかってる…！わかってるから、ツラいんだよ……。」
貴方「……」
烏天狗「泣かないで……ごめん、僕が悪かった…。」
貴方「ちが…う………私が…………
ごめんなさいっ………ごめんなさい烏天狗…っ！」
烏天狗がそんなこと考えてるなんて知らなかった。私の軽率な行動で、そんな風に思わせていたなんて。
悲しい。悔しい。
本当に私はすぐに泣く弱い奴だ。
強くなりたいのに。
烏天狗「A……ごめん、不謹慎だけど……」
貴方「…？」
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作者名：暁兔 | 作者ホームページ：
作成日時：2019年8月25日 14時
