君にどう好かれるか考える。ー５ー (ページ9)

今日:6 hit、昨日:8 hit、合計:37,865 hit

１８７話：空模様ページ9

大ガマ達が、牢に入り2ヶ月が経過した。
2人は特に異常もなく、鬼化を1ヵ月消す薬の効果は抜群だった。

その薬は大量生産され、鬼化で苦しむ一族や
鬼の血で鬼化した妖怪達に与えられた。

妖魔界は、暴れる妖怪等は居らず
平和な時を迎えた。

キュウビやオロチ、大やもり、
相変わらずからかわれるけど、女郎蜘蛛とも少しずつ仲良くなっていった。

大ガマと土蜘蛛も、閻魔の宮で普段通りの生活に戻った。

私はというと、勿論毎日宮で働く女妖怪達と、
宮の掃除や補佐を行っている。

エンマさんは忙しいのか、最近は殆ど顔を合わせる機会が無い。
何やら出張だと言って、三日前に宮を後にした。

無事に帰ってくるのを祈りながら、
私達は平和な宮の中で過ごしていたんだ。

なのに、宮の中の様子も、
空の様子も可笑しい。

閻魔大王様が険しい顔をしている。

貴方「……」

何かが起こる前触れだということ。
それは大きな災厄であること。

少なからず私にわかるのはコレだけだった。

貴方「うっ…………」

痛む心臓を抑えながら、
私は窓の外に目をやった。

怪しい黒い影が迫っていて
禍々しい妖気と共に、この世界を覆うまいとしている。

貴方「私が……出来ることは……。」

未来を正しく導く事だけ。