185話:苦心 ページ7
貴方「そうじゃなくて……私がただ……。」
烏天狗の事を言うと、また揉め事が起こるかもしれない。
そう思い、私は自分が抱えていた不安だけを話した。
貴方「……私が人間だから…。エンマさんとの関係を女郎蜘蛛にからかわれたりするのかなって……。」
エンマ「そんな事考えてたのか……。女郎蜘蛛も余計な事をする…。」
エンマさんは呆れた様子でそう言うと、
私の隣に座り直した。
貴方「……ごめんなさい…。私が妖怪だったら……。」
エンマ「バカ言うな。俺は妖怪であっても無くても、お前が好きなんだ。」
貴方「……」
エンマ「お前も、俺を好いてくれてるんだろ?」
貴方「……はい。」
エンマ「だったら、そんな事気にするな。俺の傍に居ろ……A。」
貴方「……エンマさん…。」
ずっとは居られない。
いつまでこうして隣に居られるんだろう。
貴方「っ……」
心臓が苦しい。
『あの落ち天狗はどこに行った?』
『はっ、あの者は現在、閻魔の宮に居ます。』
『何でそんな所にアイツはいるわけ?』
『何でも、人間の女に助けられたとか。』
『……アイツ、まだ飽きたらんのか。人間の女に恋をした等うつつを抜かすから、落としてやったと言うのに。』
『どうやらその恋をした人の娘に助けられたとの通達が。』
『……何?』
『その女もまた、閻魔の宮に居るそうです。』
『ふうん……。』
『興味がお有りなのですか?』
『その女を、ちょっと見てみたくなった。』
『そうですか。お気を付けて、カルラ様。』
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作者名:暁兔 | 作者ホームページ:
作成日時:2019年7月14日 0時