201話:消えた若君 ページ23
烏天狗「え……?」
驚くのも無理はないだろう。
目の前にいるのは、容姿も何も変わらない
紛れもない“天野A”なんだから。
烏天狗「ど…どういう事……?A……なの…?」
明らかに私と分かっているみたいだが、
この時代での私はまだ1度も烏天狗と会ったことはない。
つまり、知らぬ振りをしなければ
歴史は大きく変わってしまう。
貴方「はぁ……、なんのことやら…?」
私は知らないフリをして
烏天狗を見つめた。
烏天狗は悲しげな顔をすると、
「そう……だよね、ごめん」と呟いた。
罪悪感に苛まれながら、
私は助けてもらったお礼を言うことにした。
貴方「さっきはありがとう。助かったわ。」
烏天狗「丑三つ時に人間がこんな山に入ってくるなんて初めてだよ……。驚いた。」
貴方「あ……うん、それは……。」
烏天狗「用があるなら明るくなってからの方が良いよ。今、妖怪達はとても危険な状態だから。」
貴方「どうして……妖怪が危険な存在になってるの……?」
烏天狗「……ずっと昔、室町時代の後期にある女の子が死んだんだ。その子は、次期閻魔大王になる若君の恋人だった。」
貴方「……」
それは、紛れもない私___。
烏天狗「……若君はとても悲しまれた。……すると、数日後に若君は姿を消したんだ。」
貴方「え……?」
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作者名:暁兔 | 作者ホームページ:
作成日時:2019年7月14日 0時