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*青空…2 ページ25

路地に入るなり三人のうちの一人が殴りかかってきたので左に躱し、そのままやつの鳩尾に回し蹴りを叩き込む。奴は白目を剥いてその場に崩れ落ちた。まずは一人。


「ッの野郎…!!」


次に、激昂した男が俺目掛けて真っ直ぐに鈍器を振り下ろすのをスレスレで避け、コートの裏に収納していた投げナイフを二刀、間近で奴の目玉に食らわせる。


「ヒッ、ギああァァ!!」


目を押さえよろけた奴の足を払い地面に倒し、取り落とした鈍器で頭を横薙ぎに殴って気絶させる。二人目。

三人目に焦点を合わせようとした所で最後の一人に思いっきり横腹を蹴られ壁に叩きつけられた。


グル「ガッ…は…っ!」


速い。げほごほと咳き込む暇もなく腹を蹴り上げられ視界がぐるりと回転するような感覚に陥る。膝に力が入らず、そのまま地面に蹲った。


グル「ぐ…っ、う、ゴホッ、っは」

「チッ、流石はあの“我々”の総統を務めるだけはあるな。お役所仕事だけじゃないってか」


奴はそう言い捨て、彼の片目を覆い隠す白金に手を伸ばし、乱暴に掴み上げ無理やり顔を上げさせる。


「しかし初めは驚いたぜ?総統をも務めるお方がこれほど若くて美人だとはなぁ…。神さんは不平等だと思ったもんだ。」

グル「…それは、それは。お褒めに預かり光栄です閣下。」


そう言って目の前の男の目を見据え、挑発するように笑ってみせると面白いぐらいに奴は顔を怒りに紅潮させた。黙れ生意気な奴などと喚きながら、更に何度も彼の体を蹴ったり踏み捻る。そして懐から黒光りする拳銃を取り出し、彼に向けセーフティを解除し醜く笑って言った。


「っは!二度と生意気な口きけなくしてやっからよお!安心して死ね!!」


銃を向けられ地面に横たわったまま思った。
あー。このまま死んだらトントンに偉く怒られるだろうな。少なくとも粛清は免れん。ん?でも死んだらそれもないのか。それはホッとするが、やはり少し寂しいような。みんなも怒るかな。うん、怒るだろうな。
そこまで考えて、自嘲気味に薄く笑った。

もう少しの間、彼奴らと戦争がしたかったが、仕方がない。


重力に従い瞼を降ろそうとしたその時、目の前に見覚えのある真っ白な髪と臙脂の外套が飛び込んで来た。思わず閉じかけた目を勢いよく見開く。

次の瞬間、乾いた銃声と同時に、鮮やかな赤が路地裏から見える狭い青空の下に、まるで花びらのように舞った。

*青空…3→←*青空



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闇音 - UPZはエーミール教授が働いて?いる大学の名前ですよ。エーミール教授が教えているのはパk学です。 (2017年7月27日 23時) (レス) id: f267177af2 (このIDを非表示/違反報告)
闇音やみぃ(プロフ) - *衣装の夢主さんの会話カッコ名前変換されてません。 (2017年5月28日 17時) (レス) id: efba8b3959 (このIDを非表示/違反報告)
サクヤ(プロフ) - 妖怪波姫さん» わわ、本当ですね…すみません直します!! (2017年4月29日 19時) (レス) id: f3b38bb195 (このIDを非表示/違反報告)
サクヤ(プロフ) - 気ままな猫丸さん» すみません直させていただきました!ありがとうございます!! (2017年4月29日 19時) (レス) id: f3b38bb195 (このIDを非表示/違反報告)
妖怪波姫(プロフ) - UPZ大学のZが、Gになっていると思います とても面白いです 更新応援してますd(^_^o) (2017年4月29日 8時) (レス) id: e7428f1fb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サクヤ x他1人 | 作成日時:2017年3月18日 18時

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