＊昔話 ページ30
ゾム「取り敢えず入り口の鍵探そう。テロリストとかは後回しや。」
俺たちは一先ず玄関ホールに戻ってきた。ここも安全な補償はないが窓の近くよりマシだ。
A「オバケって確かに怖いねー。こういうのってよくあんの？」
ゾム「ないわ！俺も初めてやし…」
ひと「…俺は、ある。」
ひとらんらんのその一言に反応し、二人同時に彼の顔を振り返った。
ゾム「…マジ？」
ひと「俺の祖国…キンの国にいた頃だけど。」
キンの国。確か極東に位置する小さな島国だったかな？世界地図見たのなんか大分前だから自信はないが。
彼は壁に凭れ、真っ黒な瞳を伏せながらポツリポツリと語り出した。
ひと「俺、小さい頃、父さんと婆ちゃんと俺だけの三人で小麦作ってくらしてたんだ。戦争になってからは婆ちゃんと俺の二人だけになっちゃったけど…。その頃ぐらいかな。初めは目が疲れてるんだと思った。でもだんだん鮮明に見えるようになってさ…。この国に来てからは全く無かったんだけど。」
そう言い終わると、彼はマスク越しに長い溜息を吐き出す。
A「そっか…だからあんなに………。あの、さ、もしかして今みたいに異空間っていうか異世界っていうかに迷いこんだことってある？」
ひとらんの過去を知り、重たくなった空気を振り払うように口を開く。
ひと「いや、追いかけられたりとかはあったけど…こんなのは俺も初めて。」
A「そっか…。」
ゾム「…ひとらんの昔の話、初めて聞いたわ。」
ひと「あれ？そうだっけ？」
きょとんと首を傾げるひとらんにゾムはそうやって！と笑いながらツッコんだ。つられて俺も笑う。
ゾム「よし…！なんで今回だけこんなことになったんかわからんけど、絶対脱出してやるぞ！」
A「いえあ」
ひと「バーボン飲みてぇ」
ゾム「やっぱしまらんなぁ…www」
そう言って三人で笑っていると、左の廊下からジュル…ジュル…という何かが這っているような音が聞こえ、一瞬にしてみんな真顔になった。
ゾムが無言で正面カウンターの下を親指で指したので、俺とひとらんは頷いてその場所に身を縮こませる。ゾムもそれに続いた。ジュルジュルと這う音は次第に大きくなっていく。それにつれ、心臓が痛いくらいに脈を打った。早く、早く通り過ぎろ…！
ジュル、ジュル…ズル、ジュル…
…段々と音が遠くなっていく。
完全に聞こえなくなった所で俺たちは一斉に息を吐き出した。
ひと「…はやく、帰りたい。」
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闇音 - UPZはエーミール教授が働いて？いる大学の名前ですよ。エーミール教授が教えているのはパk学です。 (2017年7月27日 23時) (
レス) id: f267177af2 (このIDを非表示/違反報告)
闇音やみぃ(プロフ) - *衣装の夢主さんの会話カッコ名前変換されてません。 (2017年5月28日 17時) (レス) id: efba8b3959 (このIDを非表示/違反報告)
サクヤ(プロフ) - 妖怪波姫さん» わわ、本当ですね…すみません直します！！ (2017年4月29日 19時) (レス) id: f3b38bb195 (このIDを非表示/違反報告)
サクヤ(プロフ) - 気ままな猫丸さん» すみません直させていただきました！ありがとうございます！！ (2017年4月29日 19時) (レス) id: f3b38bb195 (このIDを非表示/違反報告)
妖怪波姫(プロフ) - UPZ大学のZが、Gになっていると思います とても面白いです 更新応援してますd(^_^o) (2017年4月29日 8時) (レス) id: e7428f1fb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サクヤ x他1人 | 作成日時：2017年3月18日 18時
