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恋愛相談 ページ4

あれから1年半後敦くんが入って仕事はさらに忙しくなった。
そんな頃、私は─

「はぁ………。どうしたらいいと思う??」


潤一郎君が潜入系の仕事に行った時を見計らい、うずまきで恋愛相談をしていた。

珈琲のカップを静かに置いて髪の毛を耳にかけるナオミちゃん。その一連の流れは自然美という言葉がよく似合う。

長い睫毛をゆっくりと上げこちらを向く彼女は、少し悪巧みした笑みを浮かばせて口を開いた。

「そうですね…。一度想いを伝えてみては如何ですか?」

態とです。と言わんばかりの笑みに溜息を超えて笑いが出た。ご最もな答えではあるが…

「でもさぁ…断られたらどんな顔で会えばいいんだろ。あーもう…分かんない。」

想いを伝えるのはできないことでは無い。寧ろ緊張を悟らせない位にはスムーズに言える自信はある。ただ、こんなにも心から好きだと思える人がいなかった為かそれともただ私がビビりなだけか。
足がすくんでしまう。

それに、私は元ポートマフィアだ。
こんなことナオミちゃんには言えないが。

彼の理想とは掛け離れている。
人の命を奪った。沢山、数え切れない程に。

そう思うのに、恋心は加速していく。
幸せになろうと其方に走っていく。

柔らかな輪郭の顎に手を当てて満面の笑みで

「その時はその時です!」
と言う。一寸投げやりすぎるよナオミちゃん…。
でも…その方がいいかもしれない。

「もういっそ玉砕した方が
吹っ切れるかなぁぁ…?恋って難しい…。」

頭を抱えて机に突っ伏した。
なんも思いつかないなぁ。
横を向いて珈琲カップに砂糖を入れ、混ぜる。
少しぬるくなってしまった珈琲は、砂糖を溶かしきれず、砂糖をカップの底に溜めていた。

「あら、透さんなら沢山経験がありそうですのに。」

マスターにお代わりを頼みながらそういう彼女。
私は飲みかけの珈琲を一気飲みしてカフェオレを頼んだ。下の方に溜まってしまった砂糖の味がいつまでもも口の中に残り続けている。
不快感が、思考の邪魔をする。

色仕掛け(ハニートラップ)なら嫌という程やってきたから、別に駆け引きそのものが苦手という訳では無い。ただ、恋をしている暇なんてなかったし、興味もなかった。ただ、恋してしまったものは仕方ない。

頭を抱えていたらドアに着いているベルがチリンと小さな音を立てた。

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ゆう - 続き待ってます! (2019年11月26日 21時) (レス) id: e84ad3cdaf (このIDを非表示/違反報告)
黒バイ(プロフ) - これからこの作品楽しみにしています。ファイトです! (2018年10月3日 18時) (レス) id: bfca25752a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:成瀬華夜 | 作成日時:2018年9月19日 20時

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