ままごと。3

140 ページ42

.


.


.

翔 「 毎朝、誰の隣で目を覚ますのか

思い出させてやろうか。」



岩ちゃんの前でキスしようとする。

ほっぺにチューとか可愛いもんじゃなくて、

口にだよ？

翔くんには羞恥心ってものが欠けているのか。




「 ぎゃー！ やめてっ！

思い出したっ！思い出しましたっ！翔くんですっ 」



手のひらを翔くんの顎に当て、腕を突っ張り、必死で抵抗。





『 本当に噂通りだね。翔くん、そんなに心配？ 』



私たちの様子を見て岩ちゃんがクスクス笑う。



翔 「 岩ちゃん相手に安心出来るかよ。」




『 えー。ひっどいなぁ。

でも。本当に翔くん変わったね。良い意味で。 』



翔 「 何とでも言え。岩ちゃんだって、

好きな女ができたら変わる。」




『 好きな女ね… 』



岩ちゃんは一呼吸おいてから。





『 そんな相手は、きっと現れない。

欲しいとも思わない。だから俺は変わらないかな。』



切ない横顔をして、きっぱり言い切った。



人が羨む程の完璧な容姿を持っている人でも、

やっぱり暗い部分はあるんだ。


翔 「 腹減った。A、飯頼むわ。」



翔くんは反応に困った私の背中を押すように私の腰に手を当て。

キッチンへ行くように促した。






.


.


.

141→←139

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す