No.60 ページ16
「はい。これがアンタたちの分。」
メンチさんが三人分のゆで卵を持ってきてくれました。
「私たちのも、良いんですか?」
「当然よ。アンタたちは私の試験に合格してるんだから。こっちが市販の卵。ぜひ食べ比べてみて。」
云われた通り、市販の卵を一口食べたあと、クモワシの卵を食べてみます。
「…わぁ、美味しい!」
「はい!なんかもう、市販の卵が食べられなくなっちゃいそうですね!」
「う〜ん。実に美味だ。感動して谷から飛び降りたい気分だね。」
「なんでですか!」
フラフラ〜っと本当に谷に向かう太宰さんを敦くんが必死に止めます。
その時、太宰さんのポケットからヒラリと何かが落ちました。
「これは…飴の包み紙?" 蟹味噌味 "…あ。」
そう、あの時。一次試験の途中、涙が止まらなかった時。確か、ナマケモノさんがくれた飴__あの、滅茶苦茶に不味い飴!
思えばあの時、隣に白い虎の着ぐるみを着た人も倒れていて、その中身は敦くんでした。
じゃあ、あのナマケモノさんの正体は…
「太宰、さん。」
「ん?」
くるりとこちらへ振り返る太宰さん。
嗚呼、貴方って人は本当に__
「ありがとう、ございます。」
「どうしたんだい、Aちゃん。急に改まって。」
「もう。全部お見通しなクセに。」
「はて、何のことかな」
それでもとぼける太宰さんに、私が食べた方の飴の包み紙を見せます。
「これ、滅茶苦茶不味かったですけど。」
「えぇ〜、私のイチオシなのに。」
「ふふっ。じゃあ帰ったら国木田さんにもあげてください。」
「そうだね!国木田くんならこの飴の美味しさも理解してくれることだろう!」
どうやって国木田くんに飴を食べて貰おうかなぁ〜と悪巧みを始める太宰さんを見ながらつくづく思う。
私は彼に支えてもらって生きているのだと。
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マニ。(プロフ) - 猫ノ栞さん» ✉️。はい!ボードの方で仲良くしましょうね!宜しくお願い致します💖 (12月5日 19時) (レス) id: c4b8377817 (このIDを非表示/違反報告)
猫ノ栞(プロフ) - マニ。さん» よかったです!これからよろしくお願いします🌸 (12月5日 19時) (レス) id: 218254b255 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - 猫ノ栞さん» ✉️。平気です!ちゃん届いてますし、空欄ではないので大丈夫です!💖 (12月5日 19時) (レス) id: c4b8377817 (このIDを非表示/違反報告)
猫ノ栞(プロフ) - マニ。さん» 再度送って見ました!届いてますでしょうか? (12月5日 19時) (レス) id: 218254b255 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - 猫ノ栞さん» ✉️。おけです!ボードの返事お待ちしています。猫ノ栞さん!☺️ (12月5日 19時) (レス) id: c4b8377817 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:猫ノ栞 | 作成日時:2018年12月30日 16時