No.61 ページ17
ニ次試験も無事に終わり、私たちは再び飛行船に乗っています。次の目的地には明日の朝8時到着予定だそうで。それまでは暫しの休息といったところでしょうか。
「うわー!すげー!」
「宝石みたいだねー!」
隣ではゴンくんとキルアくんが楽しそうに窓から外の景色を眺めています。微笑ましいです。
「キルアのさァ…」
「んー?」
「キルアのお父さんとお母さんは?」
「んー?生きてるよー多分。」
「何してる人なの?」
「殺人鬼」
「両方とも?」
キルアくんは一瞬驚いたような表情を見せると、
「あははははっ。おもしろいなお前ー」
年相応の笑顔で笑うのでした。
「マジ面でそんなこと聞き返してきたの、お前が初めてだぜー。」
「え?だって本当なんでしょ」
「…なんでわかる?」
「なんとなく」
「おかしいなァー。どこまで本気かわかんないコってのがチャームポイントだったのに。」
「ふーん」
「あはは…」
なんだか凄いチャームポイントですね。
「オレん
「キルアくんは自由になりたいのですか?」
「んー…自由かァ。そうなのかもな。」
「そうですか。」
「ねぇ、Aは?」
「え?」
「Aのお父さんとお母さんは?」
「私の…」
私の父と母。改めて聞かれると、どう答えて良いのか分からないですね。もうとっくのとうに馴染みが無く、遠い存在になっていますから。
「いませんよ。もう。」
「え?」
「少なくとも、この世にはもういません。」
私の答えに目をパチクリとさせるゴンくん。
そりゃそうですよね。
「えっと…ゴメン。辛いこと聞いちゃった?」
「いいえ。大丈夫ですよ。」
そう。決して辛いことでは無いのです。ただ父と母の中に私はいなかった。そして今の私の中にも父と母の存在はいない。それだけの事。
「私を拾ってくれた人達がいまして。その人達が生きる術や感情を私に教えてくれたのです。」
「もしかして、それが太宰さん?」
「ええ。彼もその内の一人ですね。」
「だからお前、アイツのこと保護者って言ってたのか。」
「はい。困った人ですが、私にとっては大事な人なんです。」
おっと。つい、喋りすぎちゃいましたね。もしこの話を太宰さんに聞かれていたら調子に乗られてしまいます。
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マニ。(プロフ) - 猫ノ栞さん» ✉️。はい!ボードの方で仲良くしましょうね!宜しくお願い致します💖 (12月5日 19時) (レス) id: c4b8377817 (このIDを非表示/違反報告)
猫ノ栞(プロフ) - マニ。さん» よかったです!これからよろしくお願いします🌸 (12月5日 19時) (レス) id: 218254b255 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - 猫ノ栞さん» ✉️。平気です!ちゃん届いてますし、空欄ではないので大丈夫です!💖 (12月5日 19時) (レス) id: c4b8377817 (このIDを非表示/違反報告)
猫ノ栞(プロフ) - マニ。さん» 再度送って見ました!届いてますでしょうか? (12月5日 19時) (レス) id: 218254b255 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - 猫ノ栞さん» ✉️。おけです!ボードの返事お待ちしています。猫ノ栞さん!☺️ (12月5日 19時) (レス) id: c4b8377817 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:猫ノ栞 | 作成日時:2018年12月30日 16時