No.31 ページ34
嗚呼、駄目だなぁ…本当に。
ちょっと貴方のことを考えるだけで直ぐこうだ。
そして
“ いっそ頭を強く打って記憶喪失にでもなってしまった方が楽かもしれない。”
なんて考えに至る迄がワンセット。
一寸前までは其れを本当に実行して次に目が覚めた時には
色んな人にこっぴどく怒られ、
それでも記憶は無事なまま。
というところ迄がワンセットだったのですけど。
___ズシャアアアアアアア!!!!
「 !? 」
突如、物凄い音と砂埃を立てて地下道の出口から何かが転がり込んできました。
幸い咄嗟に腕で顔を覆うことが出来たので大量の砂が目に入るという事態は防げましたが…
砂の代わりに私の目に飛び込んで来た光景は、非常に奇怪なものでした。
物凄い音と砂埃の原因であろう地面に転がっている其れは…
「きぐ、るみ?」
然も四体。
(随分奇妙な格好をしていますが)恐らく此の人達も立派なハンター志望者なのでしょう。
転がり込んできたっきりピクリとも動きませんし…生死くらいは確かめないと。
「あの…大丈夫ですか?」
「 「 …………………………。」 」
四体とも、地面に突っ伏したまま応答無し。
うーん。困りましたね。
分厚い着ぐるみの上から正確に脈を測るのは難しいでしょうし。
かと云ってきぐるみを引っ剥がすというのも…
「おーい、聞こえてますかー?」
「 「 ………………………。」 」
「もしもーし…わわ!」
ガバッと一体が勢いよく飛び起きました。
此れで応答が無ければ何も見なかったことにするか若しくは覚悟を決めて着ぐるみを剥いで脈を測るかの二択にしようと思ってたんですが。
お猿さん?の方が目を覚ましたみたいです。
「お、おはようございます…」
「 …………………………。」
お猿?さんはスクッと立ち上がるとギョロっとこちらを振り返り、私を凝視しています。
「あの…?」
そして何を思ったのかズボッと己のもっふもふの毛皮に手を突っ込みゴソゴソと何かを探し始めました。
手に付いている鋭い爪…
若しかして…ナマケモノ?
320人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
猫ノ栞(プロフ) - 嚠鸝邏さん» コメント&ご指摘ありがとうございます。非常にありがたいです。しっくり来るタイトルが浮かび次第この作品のタイトルを変更させて頂こうかと思います。 (2017年11月28日 8時) (レス) id: 12fd2174b4 (このIDを非表示/違反報告)
嚠鸝邏 - ごめんなさい、指摘…なのでしょうか?タイトルに就てなのですが、amatoという作者様の、"異能力?いいえ、霊能力です"というものに大変似ておりまして…作成日時は此方の方が新しかったので…ごめんなさい。然し、物語はとても面白いです!更新頑張って下さいね! (2017年11月28日 0時) (レス) id: 4b796ea73d (このIDを非表示/違反報告)
猫ノ栞(プロフ) - 寝夢@影武者さん» コメント&評価ありがとうございます。この身に余る光栄です。楽しんでいただけたなら何よりです。これからも頑張らせていただきます。 (2017年11月25日 22時) (レス) id: 12fd2174b4 (このIDを非表示/違反報告)
寝夢@影武者(プロフ) - 評価100番目踏ませていただきました!着ぐるみシーンが吹き出すほど面白かったです…(爆笑)これからも更新頑張ってください! (2017年11月25日 21時) (レス) id: 671ce60c1e (このIDを非表示/違反報告)
猫ノ栞(プロフ) - ハイチュウさん» この身に余るお言葉ありがとうございます。拙い文章ではありますが少しでも素敵な絵に見合う作品が書けるよう努力させていただきます。 (2017年8月30日 19時) (レス) id: 12fd2174b4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:猫ノ栞 | 作成日時:2016年10月23日 4時