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ここ、か。
MANKAIカンパニー。
いや、でけぇ。
「なぁ、アンタ何してんの？」
声をかけられ後ろを振り向く。
「お前…もしかして…」
「え、誰？」
「俺のこと知らない？」
「誰もが君のこと知ってると思わないで」
ピキっと相手の額に筋が入る。
「あーっ、やっと来た！」
ガチャっと戸が開いて、顔を覗かせたのは。
「いづ姉。遅くなってごめんなさい」
「は、いづ姉？」
「万里くん、紹介するね。えっと…」
「自分で紹介できるから大丈夫だよ。立花A、花咲学園2年。よろしくお願いします」
「ほら、劇団員も増えて私だけじゃ手が回らないから、Aちゃんに住み込みで手伝ってもらおうと思って。ねー？」
「ねー！！」
無表情でいづ姉の真似をし、体を右に傾ける。
「まぁまぁ、とりあえず入ろっか」
「ん。お邪魔します」
「Aちゃん、自分の家だよ」
「あ、そうか。ただいま」
「それでよし」と、いづ姉はニコニコして私の頭を撫でる。
自分より背の低い人に頭を撫でられるのはなんだか変な気分だ。
「んーっと、1個部屋開けたから、2階まで荷物運べる？」
「ごめんね。ちょっと難しいかも」
「だよね。えっと、あ、臣くん！」
「監督？どうかしたか？」
「この子の荷物、上まで運んでほしいの。1番奥の部屋の」
「あぁ、そういえばこの間掃除してたな」
「すみません」
「いいよいいよ。気にすんな。ところでこの子は誰なんだ？」
「みんなが帰ってきてから紹介しようと思って」
臣サン？は不思議そうに首を傾げたが、「じゃあ後の楽しみにしておくよ」と、私の荷物を持って2階に上がっていった。
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作者名：茉桜 | 作成日時：2020年6月28日 15時
