33:なりたいもの ページ34
「姉ちゃんさ、毎日毎日よく来るよね。暇なの？大人は働かないといけないんでしょ？」
『私は将来ホームヒーローになるからその練習だよ。ホームヒーローは家にいながらも外に出ないと周りからの信用を失う仕事なんだ。』
「姉ちゃんそれ、ニートって言うんだろ」
少年は私のなけなしのお小遣いから出したアイスを美味しそうに頬張りながら私を軽蔑のめで見つめた。
おいなんだお前。アイス奢ってるんだぞこっちは。やめ、…おいやめろ。その目やめろ。
『ちょっと聞いてよ、少年。』
「ダルッ…で、なに？」
『そろそろ心折れるよ？いいの？』
少年はアイスを食べ切るとカバンにゴミを押し込んだ。
『友達…がさ、変なんだ。みんな変わっちゃったみたいで。私のせいなのかなぁ、やっぱ私、ヒーロー向いてないのかなぁ、』
「ホームヒーローは友達いらないだろ。」
『真面目に聞けや。こっちはアイスを犠牲にしてるんやぞ』
「だったら尚更小学生に聞くなよ、」
大人みたいな事言っちゃってもう！
私は食べきったアイスの棒を口から離してそれで地面に絵を描く。
「うーわっ、へったくそ。」
『マジで泣くよ？いいの？泣くよ？小学生に泣かされたってチクるよ？』
「そういうところ含めて大人気ないんだよ。それなに？俺の好きなヒーロー描いてるの？バカにすんなよ！！」
『してねーわ！むしろよく見てるから細かくかけんだよ！』
何だこの小学生！無理っ！唐揚げに勝手に檸檬かける人くらい無理！
「それが友達じゃないって思うなら友達やめれば？」
少年はこっちをまっすぐ見ていた。ふざけた顔じゃなくて真面目な顔。
「友達かもわからないような友達、一緒にいたって誰も姉ちゃんの事わかってくれないよ。
俺よくわかんないけど、俺のことわかってくれない人多いから一緒にいないよ。
俺のヒーロー計画に必要ないから。
ちょっとの友達だけでいいし。
姉ちゃんも皆から好かれようとしなくていいんじゃね。」
誰からも好かれなくていい。
そう言った少年は困った顔で笑った。
『おまえ、…本当に小学生？』
「もうすぐ5年生だ！」
『いや背ちっせぇ！2年生だと思ってたわ！』
「バカにすんな！！」
情けないながらにも救われた。
自分の進む方向が正しいのかわからないけど、
ヒーローになりたいという意思が固まった。
『よし！！ヒーローになるぞ！ところで少年！名前はなんだ！』
「最初に聞けや！！」
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たら - 小学生の子かっこよすぎ。結婚しよう (2021年8月12日 21時) (
レス) id: 979f7d7a59 (このIDを非表示/違反報告)
れふる(プロフ) - とても素敵な作品で大好きです！！続編待ってます！！ (2020年4月10日 15時) (レス) id: f89108791d (このIDを非表示/違反報告)
マイ - めちゃ感動した。やばい神すぎる神に改名したまえ (2020年4月9日 10時) (レス) id: d1e84853e0 (このIDを非表示/違反報告)
怜 - 本当まじ感動しました！めっちゃキュンキュンする〜！！神作書いてくださって本当にありがとうございます！！ (2020年4月7日 23時) (レス) id: 5ed857011f (このIDを非表示/違反報告)
紺 - 素敵でした (2020年3月12日 12時) (レス) id: 70df13c73f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：日�� | 作成日時：2020年1月8日 23時
