いや、俺男なんやけども。【稲荷崎】【男主】 (ページ20)

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19話ページ20

侑side

侑「…なんや、橘くん随分遅ない？」

治「せやな、そろそろ来てええ気もするけど」

今日も見学に来るとサムから聞き楽しみに待っていたものの、いくら待っても来ない。

角名「…また変なのに絡まれてないといいけど」

侑「…変なの？」

角名の気になる発言気聞き返せば先輩に呼び出され、帰ってきたら頬が切れて赤くなっていたと言う。

侑「…なんやねん、それ、っ！」

話を聞き嫌な予感がした。

当たらないでくれと願いつつ、いても立ってもいられなくなり、気づけば練習をほっぽり出して走り出していた。

治「…っあ、おい！ツム！」

北さんや監督に事情を説明するサムと角名を横目に体育館を飛び出れば近くの空き教室から話し声が聞こえてきた。

「＿逃げられるとでも思っとるん？お得意のぶりっ子で優しくしてくださいって泣きついた方が似合うとるで」

なんの話しをしているのかと、教室を覗いて見ればそこには信じられない光景が広がっていた。

『…っ、んﾞー！』

口を塞がれながらワイシャツを脱がされようとしている橘くんが何とか逃げ出そうとじたばた暴れるも、橘くんより体格のいい男3人に押さえつけられ身動きが取れないようにされていた。
そんな様子に、少し離れたところからカメラを向ける女子生徒2人。

諦めたのか大人しくなる橘くんをみて、勢いよくドアを開ける。

侑「……おい、何やっとんねん」

自分でも驚く程低い声が出る

服がはだけ、目を見開き大粒の雫を溜めながら此方を見る橘くんの姿に腸が煮えくり返る程の怒りを感じる。

佐藤「…あっ、侑くん…！こんなとこにどうしたの？」

さっきまでゲラゲラ下品に笑っていた女がこっちを見て甲高い耳障りな声で何か言っていたが、何も入ってこなかった

侑「…何やっとんのか聞いとんねん、タコ共」